闇金ウシジマくん(25) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん25 2012

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「生活保護くん」編

    佐古 彰(さこ あきら)
    本エピソードの債務者。都内のアパートに住む29歳の無職の青年。少年時代のストレスと、社会人になってからの超過労働が原因で過敏性腸症候群になり、緊張するとたびたび脱糞する。新しく職に就いても病が原因で長続きしないため、家賃や電気代も払えないほどの貧困に陥る。本来は他人想いの誠実な好青年であったが、失職後は食べて寝て自慰するだけという無為な日々を送っている。生活保護を申請するも却下されるが、ネット掲示板で「NPO法人 貧困ネットワーク ふれあい」の存在を知り、主催者の嘉瀬の協力によって再度申請したところ、生活保護を受給できるようになる。
    頑固な父との不仲や優秀な兄への劣等感を引きずっており、実家の家族とは関わりを避けている。外部の人間関係においてもうまく立ち回ることが出来ず「幼稚園でも小学校でも友達は1人も出来なかった」「修学旅行ではクズの集まりの班だった」と述懐している
    ある日、唯一のリアル友達であるよっしーに無為な生活ぶりを詰られて関係が悪くなり、自分も何か社会に貢献しようと、SNSで犯罪自慢を行うアカウントの個人情報を特定する「DQNバスター」を名乗る。犯罪自慢をした剛田の自宅の写真をネットにアップロードして称賛されることに喜びを感じるが、逆に剛田に自宅を突き止められ、自らの糞を食べさせられるなど散々な目に遭って殺されかけたことで「どんな相手であっても、人の人生を左右する行為は自分も背負わなければならない」と反省し、ネットに実名と素顔を公表してDQNバスターを辞めることを決意する。
    めしあについていく形で訪れた新潟の田舎町での老人たちとの交流を切っ掛けに本来の優しさを徐々に取り戻し始め、意を決して家族に会いに行こうとした矢先に父の死を知らされる。しかし、葬式において父親が本当は自分を気にかけていたことを兄から伝えられ、さらに嫌いだったはずの兄がその場に現れた丑嶋たちに自分の借金の利子を完済させる計らいを目の当たりにし、今までの自分を悔い涙を流した。家族との和解後は真剣に生きることや働くことを本格的に意識し始め、最終的には自ら立ち上げたビジネスでよっしーに借金を返済できるまでに成長した。

    めしあ
    本名:飯野(いいの)。22歳から3年間、生活保護を受け続けている。SNSで知り合った佐古に起業の話を持ちかける。小学生のころにイジメにあい不登校を経験している。定時制に通っていたころに佐古にそっくりだった唯一の友人が自殺してしまったことを機に友達を失いたくないという思いが強くなり、佐古に借金を肩代わりさせて浮いた金で遊ぼうとしていた希々空に激昂し、出せるだけの金を佐古に返させた。

    ぬ〜べ〜ぬーべー
    めしあの高校時代からの友人で生活保護の受給者。インターネットもまともに見ることが出来ないほど集中力が無い。ただし、集中力が無いというだけで性格自体はまともであり、希々空に肩代わりさせられたウシジマからの借金を何とかするために金を借りようとした佐古を、「俺を友達だと思っているのなら、金の貸し借りはやめよう」と諭している。

    よっしー
    佐古の唯一のリアル友達。かつては運送会社で働いていたが借金を背負い、バイトを3件掛け持ちしながら返済を目指している。
    運送会社の宅配員として佐古の家を訪れるが、生活保護受給者で自分からも借金しているのにもかかわらず、レアもののフィギュアを買う佐古に憤慨し罵倒したことから、図らずも彼をネットの自警行為に至らせるきっかけを作る。
    しかし、佐古が自ら立ち上げたビジネスで得た資金で自身に借金を返済したことで彼を見直し、「ありがとう、お互い頑張ろうな」と礼を言っていた。

    希々空(ののあ)
    めしあのセックスフレンドで24歳。生活保護受給者だがウシジマに借金があり、その利息をたまたま居合わせた佐古に肩代わりさせる。佐古が借金の返済を求めると怒鳴り、たまたまいた姪のオムツを佐古に買いに行かせる。自己肯定感がかなり低く、奇矯な振る舞いが目立つ。物語最後には、障害者施設に入居している。障害者施設では部屋の中でも傘をさし、電子レンジに恋愛相談をしている。

    藤代 彩花(ふじしろ あやか)
    佐古がストーキングしている女性。デザイン関係の会社に勤めている傍ら、ドラッグストアでアルバイトをしている。作中で引っ越してしまい、SNSのアカウントに鍵をかけるが、それが間接的に佐古の自立を後押しする要因の一つとなった。

    三橋(みはし)
    佐古の担当のケースワーカー。生活保護を受けられるようになった佐古に働くよう提案するが、屁理屈で拒否され何も言えずに帰ることになる。
    その後、働き始め、やがて生活保護に頼らなくても済むようになりそうだと言う佐古を見て、その変わり様を嬉しそうに坂本に話した。

    坂本(さかもと)
    三橋の同僚のケースワーカー。女性の生活保護者を多く担当しており、卑弥子のような悪質な生活保護者に対しては辛辣である。

    卑弥子(ひみこ)
    35歳の元風俗嬢で、生活保護を受けていながらウシジマに借金している。自分の借金の利息を希々空から取り立てるように責任逃れをする。風俗嬢になろうとする女性に「講習」を行い、金を得ている模様。
    坂本の弁によると「継母がトラウマで働けないと偽り、密かに売春で金を稼いで築地で刺身や新しいバッグを買ったりしている。そうしたことをグループホームの職員に突っ込まれて退所を迫られたら、3階建てのマンションから飛び降り、命がけで生活保護にしがみついている」とのこと。

    丸井(まるい)
    新潟の田舎町でNPO団体『なんでもかんでも』を主催する男。元引きこもり。最初は挨拶の仕方も分からなかった佐古にきつく当たり「すぐに逃げ出すだろう」と見くびっていたが、佐古が雪かきやパソコン教室などで老人たちの信頼を得ていくと彼を評価していくようになる。
    元は引きこもりだったこともあり、子供のころからの経験が足りなさ過ぎてゲームや漫画に興味も示せず、銀行通帳一つ作れない仲間の引きこもり達のことを憂いて守ろうとする責任感の強い一面もある。ただし自身のNPO団体の収入は、自身の給料分しかなく、従業員の給料は補助金で賄っているのが現状。

    剛田 照己(ごうだ てるき)
    有名大学に通う悪羅悪羅系読者モデル。SNSで犯罪自慢を行ったことが原因でDQNバスターになった佐古に目をつけられ、ネット上に個人情報を暴露される。報復のため佐古を罠に掛け、自宅を突き止める。佐古に自らの人糞を食べさせ、その動画をネットにアップすることで報復を成功させたかに見えたが、一方で佐古の機転によりその一部始終を録画され、逆にネット上に晒されてしまう。その結果、大学から退学処分になったことを逆恨みし、工事現場から工具を盗んで、佐古の殺害を図るも、佐古が自分の身を守るために、自ら自身の個人情報をネットに公開したことを知り、本気の狂人であると呆れ果て、殺害を放棄する。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2012年第15号〜第19号、第21・22合併号〜第26号、月刊スピリッツ2012年9月号掲載作品。
    2012年8月4日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    生活保護くん11~20
    番外編 柄崎くん

    田舎に来て起業のヒントを探る佐古達。
    佐古がアイデアとして靴磨きから発想して地元の老人にニーズのある雪かきを行ったこと、宿泊所の寒さ対策としてダンボールの棺桶を作ったのには感心する。
    改善力があること、手先が地味に器用?な所か。
    老人達にPC、無料通話スカイプを教えている辺りは時代を感じる。
    この単行本出た時が2012年か。
    スカイプ登場から既に数年経過しているが・・・
    今じゃ誰もがLINEで無料通話しているわな。

    闇金ウシジマくんとしては珍しい良い終わり方を迎える生活保護くん編。
    フリーターくん編と似た感じがする。
    奇跡の一本松とか東日本大震災後を感じさせる描写があちこちあるのもこの生活保護くん編の特徴だろう。

    この25巻には番外編として柄崎が丑嶋に呼び出されて荷物を車に運ぶ描写がある。
    ただ彼女との食事を犠牲にまでした柄崎が雑用で終わるのはちょっと悲しい。
    サングラスを丑嶋から柄崎は貰うが似合ってねー。


    印象に残った点

    今さー、この国の5人に1人が65歳以上の老人なんだって
    地方に行くとじじばばだらけなんだお。

    そんでこの国の金融資産1500兆円の6割を60歳以上が握ってるんだ。
    金はあるけど使い道のない老人がゴロゴロしてる

    理由は自分で考えろ。
    答えるのは起業家じゃない。
    問題を見つけるのが起業家です。
    回答はお客様の笑顔です。

    俺も含めて引きこもりのニートだよ、全員。
    聞かなくっても分かんだろ?
    あいつらは漫画を読まない。
    ゲームもしない。
    好奇心がすっぽり抜け落ちているんだ。
    小さい頃の経験が足らな過ぎて銀行で通帳も作れない。

    助成金?
    言っちゃえば大きい生活保護みたいなもんだ。

    元ニートが経営者面してるけど守られてるのはどっちだって話だよ。

    今の時代、くれくればっかりのNPO団体がすごく増えてる。
    助成金をただただ消化するだけでビジネスは回ってない。

    金を出すのを決める役人なんて自分の居場所が大事だから、枠が決まれば垂れ流し。

    生活の心配してる時ってお金の事ばっかり考えてたけど、今は退屈過ぎて死にたくなるよ。
    朝起きても布団から出る理由が何もない・・・

    生活保護者でパチンコにはまっていつも金欠な奴がいたけど、よっぽど健全に見える。
    俺も頑張って出会い系サイトで彼女作りたいけどなかなか難しいよ・・・
    女からみたら生活保護なんてありえない対象だろ?
    生きてるけど生殺し。
    「これ以上発展するな」って言われてる気がする。

    淡々と生きる。
    日々淡々と生きる・・
    痛みを受け入れる。
    でも躁鬱病は淡々とすら生きられない。
    俺、思うんだ。
    安楽死認めていいと思う。

    俺のコト、友達と思ってるなら・・金の貸し借りはやめよう。

    さこちん、やるね!
    うまい切り返しでおばーさんから金を引っ張ったじゃんか。

    いや、北風のままじゃダメなんだ。
    相手をその気にさせる太陽じゃなきゃ成功しない。

    時給のいいバイトも考えちゃうよ。
    でも学生の時、少しだけしたキャバクラで思ったな。
    お金の無さそうなお客さんにお金払わせる負担。
    本気で口説かれて嘘をついてかわす負担。
    耐えられなかったな。
    人に好かれるために小さな嘘、積み重ねて、
    自分がどんどんぼやけて嫌いになっていった・・・
    嘘って傷つく。
    つく人もつかれる人もしんどい。

    面白半分でやっちゃだめなんだ。
    人の人生を左右してしまう行為は自分自身も背負わなきゃダメなんだ。

    おい!(車の〉ドア閉めんな。
    少し開けとけ。

    完全に密閉したら監禁になんだよ。
    半開きなら軟禁だから。
    言ってる意味分かる?

    親は無償で子供に与え続けるものなんだ・・・
    子供が自分の道を迷わないように自分の足で歩いてくれればそれだけでいい。

    俺はいつも自分に都合がいいように物事を捉えて歪んだ解釈に変換していた。

    ありのままの姿でありのままを捉えて素直になりたい。

    朝起きてやる事があるのは素晴らしい。

    人と会う約束があると嬉しい。

    今日したことを明日へ繋げて積み重ねられる毎日を過ごしたい。

    2023/11/18(土)記述

  • 生活保護くん完結
    まぁ、なんやいうてもパッピーエンドはええわな。
    人に必要とされたいっていう動機を持っているってのはいいね。なにやっても結構満たされやすいと思われる。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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