空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫) [Kindle]

著者 : 角幡唯介
  • 集英社 (2012年9月20日発売)
4.19
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (202ページ)

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 高野秀行さんの、早稲田大学探検部の後輩、ということで、似た系統かと思いきや、高野さん的エンタメ要素はかなり薄く、割と硬派(?)に自身の探検を書いたものでした。笑って楽しく読める感じではないので、読む人は選ぶかもしれません。
    空白の五マイルに挑んできた先人たちのことを描きつつ、そこへの挑戦を描いていきます。いやよくやったよ、ほんと、というのが素直な感想。ツアンポー峡谷への執念みたいなものが、そこかしこからあふれ出ていて、ちょっと苦しいくらい。もう少し肩の力抜こうよ…と声をかけてあげたくなります。
    元々高野秀行さんとの対談本を読んで、興味を持ったのがきっかけなのですが、そこで、どうして過去のことから描いていくのかや、高野さんとは違って、自分の内面とどう対峙するのかを書いているよね、なんていう話をしていて。それを前提に読んだことも大きかったかもしれません。確かに自分自身の気持ちとどう向き合うかという側面はかなり大きなウェイトを占めているかなと。
    正直、これだけで完成された一冊ではない、とも思うところも大きく、誰にでも勧められるかというとそういうワケではないのですが、チベットにある、世界最大級のツアンポー峡谷に挑むという挑戦はスゴイものであり、それを読むだけでも価値はあるんじゃないでしょうか。
    そうそう、単行本には写真も入っているらしいのですが、電子書籍は写真はありません。写真は是非見たいところだったので、残念。

  • チベットの秘境、ツアンポー渓谷。
    その中でも、余りの険しさに数々の冒険者を跳ね返してきた「空白の五マイル」に取り憑かれた著者の冒険記。

    クライマックスではなにかを成し遂げる訳ではなく、単独行で遭難しかけた状態からのサバイバル。だがそれがいい(-_-)

    死を身近に感じることが生き甲斐な、冒険者の業ってこういうものか、と説得力のあるお話でした。

  • 『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』と言うおもしろおかしく書かれている冒険の本を読んで、その冒険に登場するこの著者の本が読んでみたくて。こちらは極めて真面目な冒険記。チベットの山奥に、まだ、この時代になっても、人間が踏破していない5マイルがあると。著者がどのようにその5マイルに取り組んだか、また、それだけでなく、そこに至る人々についても詳しく書かれている。本人、各人の冒険をうまく構成して描かれている。まあ、こんな大変な冒険をする気にはなれないが、登場する滝などはみてみたいとも思う。

  • 地図上に残された空白の五マイルからの生還記。一気に読み終えてしまった。24日目など、飢餓との戦いの部分は非常に淡白に書かれている印象だが実際は想像を絶するものだろう。どこかに到達できた・新しいものを発見したという類のノンフィクションではないが非常に読み応えのある一冊。

  • 自身の冒険談というより、そこに関係してくるいろいろな人の過去や人生がからみあっていくことがとても面白いです。新しいアプローチかと思います。

  • 冒険家がどうして命の危険を承知で冒険に出るのか、その心持ちが理解出来ないのだが、とても面白く読めた。自分との闘いという印象を受けた、硬派な冒険記。

  • 地球上に残された地図上の最後の空白地帯、グランドキャニオンよりも数倍も広くて険しいとされるチベット・ツアンボー峡谷の人跡未踏の5マイルをたった一人で踏破する2回の大冒険。
     個人にとっての大冒険というのは、いつだってまだ十分に残されているんだけど(子供にとっては「はじめてお使い」だって大冒険だ!)、人類史における冒険というのはというのはこの地球上ではもうそんなに残されていない。という残念な状況のなか、大学時代を冒険部で過ごしていた著者は、ふと手にした本でツアンボー峡谷のことを知ってしまう。そして、大学時代の偵察行、1回目の単独行。さらに、7年後に仕事を辞めての2回の単独行。
     スリリングである。温ぬくとした部屋で読むのが躊躇われるくらいに、スリリングである。様々な経験をしたトップ級のカヌーイストが「生きて帰ってこられないかもしれない」と言いつつ旅立って、実際に遭難してしまう・・・・そんな厳しい川や峡谷を目の当たりにしたことのない僕は、著者の冒険を本当のところで理解することはできないのだろうと思う。そう思いながらも、引き込まれていく。命の極限に身を置きたい、まだ見ぬ地を見てみたい、誰もやったことのないことをやり遂げてみたい、それは人間の持つ本能のようなものたろうか、でも結局そういうことができない僕は、ただ本を読むのである。そして、行った気になる。

  • ツアンポー川はチベット高原を横断し、インドへ流れ込む、長さ2900キロに及ぶアジア有数の大河。この川の9月の平均水量は4000トン。激流として有名なコロラド川2倍。この川がヒマラヤを刻み、作り出しているのがツアンポー峡谷。
    そこには、「空白の5マイル」と呼ばれる未踏の地が存在する。
    この地球上に「空白」があるということだけでもワクワクする。本書はこの5マイルに命を賭けて挑む著者渾身の探検記。

    本の構成としては、著者自身の探検とツアンポー峡谷の探検史を交互に展開させている。巻末には参考文献として、多くの書名が並び、探検史だけでも、一流。これにより、ツアンポー峡谷の素性を読者は把握でき、「空白の5マイル」にまつわる魅力を知ることができる。

    十数メートルの滑落、新しい洞窟の発見、大雪の中でのビバーク、1日の摂取カロリーを1000キロカロリーと決めても減ってゆく食料、ダニの攻撃、死への恐怖が、朝日新聞元記者の非凡な筆力で綴られてゆく。
    面白いノンフィクションではあるが、著者のかっこよすぎる表現が少々肌に合わず、★4つとした。

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