思考の整理学 (ちくま文庫) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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感想 : 90
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (240ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 考える事の大切さを改めて感じました。学校教育では知識を覚えることが大事と教わったが、コンピューターが現れてからは知識を覚えることなどがコンピューターに抜かれてしまい人間は知識を覚えることではなく、考え創造することが大事でそうしないとコンピューターに仕事からなにから奪われてしまう。

  • 本書は、受験などで力を発揮するような受動的に知識を得る「グライダー」型の能力と、自分自身でものごとを発見・発明する「飛行機」型の能力を比較したうえで、「グライダー兼飛行機」になるために何を心掛けるかを考えるためのものだと宣言するところに始まります。とはいえ一冊を通して一塊の思想を伝授するといった趣向ではなく、一話完結のエッセイ形式で進行するため、目次等で気になった部分だけを抜き出す読み方に適しています。

    内容については、仮に現在の流行りの言葉で呼ぶならば、"思考のライフハック"とでも表現できる、考えることにまつわる助言やコツともいうべき情報が紹介されています。そんな数々の知見を一概に要約することは難しいですが、雑にまとめてしまうなら、力押しではなく「押してダメなら引いてみろ」に類する発想による思考法と言えます。そのような主旨である本書のなかで、たったひとつ重要な知見を挙げるとすれば、やはり複数の章にわたって最も多く紹介されている、「忘却」が結果として「思考の整理」を導くというアドバイスであり、これによって本書の位置するところを大まかにイメージして頂けるのではないでしょうか。

    本文で取り上げられる思考するものの対象としては、著者が英文学者であるだけあって論文の執筆が例として頻出しており、「ものを書くのは人間を厳密にする」という言葉にも表れるように、読者のメインターゲットは文筆を職業や学習のために必要とする、もしくは志す人々にあると言ってよいでしょう。具体的なテクニックについては、スマホどころかコンピューターも一般家庭に普及していない時代だけあって、スクラップブックやカード・ノートの利用法といった今となっては参照されがたいであろう情報も存在しますが、同時に刊行時点では未来の話である、コンピュータの普及によって従来の仕事が奪われる社会を予見するなど、いまだからこそ光る部分も存在し、見所のひとつでもあります。

    実は通読したうえで、本書の内容をさほど目新しくは感じなかったのですが、40年近く前に刊行され源流となった本書にある知恵の多くが間接的に伝わった、または常識として定着しているからこその感想かもしれません。

  • 本書の初版は1983年。
    当時はまだPCも今ほど普及してなかっただろうし、事務仕事も手書きが主流だっただろう。そんな時代に「コンピューターに仕事をうばわれる」と書いた著者の先見に驚いた。

    内容は奇抜なものではなく、今現座でも十分通用する。それゆえベストセラーなのだと読んでみて感じた。
    今出ているビジネス書、特にインプットやアウトプット系の書籍の源流と言っても過言ではない。

  • 1986年4月24日発売!!

    売れ筋商品の本!色んな本屋でポップを見かけます。
    図書館で1990年代のやつを借りました。
    なんと当時のこの本は税込350円で買えるみたいです。インフレを感じますね。

    この本の特徴は現代の『自己啓発本・ビジネス本』の根底となっていることだと思います。
    「勉強のやり方」「AI(コンピュータ)に負けないようにするには」などをさほど難しくない言葉で綴られています。
    少し「うーん??」って感じたのは
    ・修飾語を減らす
    1文章1センテンス
    論文では確かにそうだけど、小説などは必ずしも有用ではないと思った点くらいです。

    教鞭を振るう立場の人(つく可能性がある人)必読!
    学生の人もぜひ読んでみてください!
    ※多少、先生などに対して嫌な見方が出来てしまう能力が身につくかもしれません。ただ、それは表面上は隠しておいたほうが吉かも!!ページ数も少なく、朝読書とかにもオススメです。

  • 何年も前に流行った本だが、気になっていたので、遅ればせながら手に取ってみた。


    従来の詰め込み型の教育を受けてきた人間が、
    今後コンピュータの台頭によってその価値を奪われていく中で、「思考する」ことによって新たな価値を出していきましょう、という話。


    本書の中では、さまざまな具体的な「思考を整理する方法」が紹介されている。


    情報をまとめるカードやスクラップ、ノートを作ったり、紙の情報を後から見返すために索引などを工夫したり、
    最初は、現代の感覚からすると「古い方法だな」と思った。
    しかし、読み進めていくにつれて、
    情報をスマホやPCに良く考えずにポンポン入れていくのではなく、紙の上で情報を丁寧に整理することこそ、思考を純化させる近道であると気がついた。

    他にも、思考する時間帯や、思考を議論する相手について、思考をより深めていく具体的な過程など、
    様々な思考を整理する方法について、とても具体的に書かれており、
    今の時代に読んでも、充分に学びがある良書であると感じた。

  • 2020年頃の広島酒蔵めぐり旅行の帰りにたまたま本屋で見かけ、興味を持ち電子書籍を購入。長い時間がかかったがゆっくりと読了した。
    あとがきに代えてまで読み、この本自体が随筆なのだなと理解した。内容の論理展開を疑うわけではなく、構成の和風なスタイル(お坊さんの話に近い)も、随筆と思えば合点がいく。
    内容は多くの示唆に富み興味深かったが、頭で即答できるものは少ない。カード・ノート法の話に代表される記録法やアイディアの寝かせ方は、他書籍でも見聞きした内容でなるほどと感じた。あと漢文の素読のように全く未理解未知のものをひたすら繰り返す教育法にも少し興味を持った。第一言語の習得をはじめ、自然に高いレベルで運用できる事柄の多くは、そのように習得されることが多いのではとも感じた。

  • タイムラインを流れてきて、そういえば読んでいたと思い出しレビュー投稿。

    随分とおしゃれな言葉で目次が書かれており、目次からは内容が全く予測できない。グライダー・カクテル・セレンディピティ等々、スピッツの曲名みたいですな。

    全部で6つの章に分かれているが、簡単に分類するとこんな感じ。
    ----------
    第一章 自分の頭で考えろ
    第二章 睡眠大事
    第三章 メモしろ・抽象化しろ
    第四章 手段としての忘却
    第五章 言葉・喋りを大切に
    第六章 自分の頭で考えろ
    ----------

    1986年に出版された本なんだけど、章ごとに関連する最近のビジネス書が思い浮かんでこない?笑
    (ス...タン◯オー◯式....メ◯の魔....9割9割9割!.....)

    どれだけ時間が流れどれだけ技術が進歩しようが、世界のルールが根本からひっくり返る訳じゃないし、人間はずっと人間のまま。

    本質的な部分に意識を集中させると、本当に大事なことはそんなに多くない気がする。

  • 断片的なひとつひとつの着想は「第一次情報」。
    その「第一次情報」を他の思考と関連させて、まとめて、「第二次情報」にする。
    この、「第一次情報」を「第二次情報」にしていくときに、「発酵」「混合」「アナロジー」等本書で言われている方法を活用していく。
    そして、本書のタイトルにもなっている「思考の整理」とは、「第一次情報」のような低次の思考を抽象化させ、「第二次情報」へとメタ化させていくこと。

    上記の考え方を実践する一つも方法がメモ。
    本を読んだり、日常生活をしていく中でパッと思いついた「第一次情報」を記録するミニノートを常に持ち歩き、何か思いつくたびにメモする。
    それを何日か経って見返す。
    何日か寝かせた後でも「これは面白いな」と思える発想・思考を、「メタ・ノート」という清書用のノートに書き写す。
    つまり、ノートを2冊用意するだけで実践できる。

    僕もやってみます。

  • 発行から35年ほど経っているにも関わらず、内容は今読んでも全く時間による風化を感じさせません。

    少し前に読んだ佐々木紀彦さんの「編集思考」や、前田裕二さんの「メモの魔力」で述べられていることも、遡れば、本書の流れを汲んでいたのだな、ととても納得しました。

    そして、そうした先人からの知恵や知識がずっと受け継がれていることは、田中泰延さんの「読みたいことを、書けばいい。」にもある『巨人の肩に乗る』の話にも通じるところがあり、自分の中で色んなものがリンクする面白さがありました。

    色々読んでいると、たまにいいこともある。ということで。

  • 再読。
    分かったようでよく分からない「喩え」の不正確さが逐一気になってしまう。
    人文学者による自然科学的な事柄に対する不理解、粗さを自然科学者に「ホレ見たことか」と指摘されるのではないか、第三者ながらビクビクしてしまう。

    一方、熟成という概念化は秀逸だし、アイデアの整理法に関する情報も有益。

    いかんせん、コンピュータ、テレビ、など一時代前のメディアが参照されるので、
    この辺りをバージョン・アップさせなければ古典とはならないかも・・・。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒。『英語青年』編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。

「2023年 『忘却の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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