こちらあみ子 [Kindle]

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  • 表題作は知的に遅れがあると思われるあみ子の幼少期が描かれる。
    好きなものに一途で微笑ましく思える一方、父と再婚した義母が死産した場面でのあみ子の行動は"本心からのプレゼント"なだけにやるせない。あみ子の様な子の行動や言動は一般的に"悪気はない""理解できないから仕方ない"で済ませがちな気がするが、読み進めるほどに周囲の徒労や諦念がのしかかる。苦しい。
    「こちらあみ子」と問いかけるあみ子に切なさを感じるも、あみ子自身はきっとそのまま生きていく。

    「ピクニック」は虚言癖のある同僚との境界が徐々に壊れゆく過程の描写がいい。
    踏み込む範囲のバランスが崩れると、良心の中に潜む悪意が顔を出すものなのかもしれない。残った者達は後味の悪さを感じても、それを都合良く解釈して忘れていくのだろう。

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著者プロフィール

今村夏子(いまむら なつこ)
1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に第24回三島由紀夫賞受賞。2016年、文芸誌『たべるのがおそい』で2年ぶりの作品「あひる」を発表、同作が第155回芥川龍之介賞候補にノミネート。同作を収録した短篇集『あひる』で、第5回河合隼雄物語賞受賞。2017年、「星の子」で第157回芥川龍之介賞候補ノミネート、第39回野間文芸新人賞受賞。 2019年、「むらさきのスカートの女」が第161回芥川龍之介賞を受賞した。

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