NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2013年 09月号

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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  • / ISBN・EAN: 4910068470935

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  • 2013年9月号の目次
    加速する海面上昇

    地球温暖化がもたらすのは気温上昇だけではない。海面上昇がもたらす、地球の危うい未来をあぶり出した。

    文=ティム・フォルジャー/写真=ジョージ・スタインメッツ

     今年5月、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は、過去300万年の間で最高の400ppmに達した。着々と進行する地球温暖化。その影響は、暑くなることだけではない。海面がこれまでより速いペースで上昇する。そこにパワフルな異常気象が重なると、被害は計り知れないものになる。

     この秋、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、新しい報告書を発表する準備を進めている。IPCCが6年前に発表した報告書では、今世紀末までに海面は最高で58センチ上昇する可能性があるとされた。だがこの報告書では、氷床が解けて海に流れ込むペースが速まる可能性については、メカニズムが十分に解明されていないという理由で、意図的に予測から外された。
    氷床が解けると海面は2メートル上昇する?

     今秋の報告書では、海面上昇の予測は前回よりもやや高い数値に修正される模様だが、氷床の融解の仕組みは依然として解明されていない。だが1992年以降、グリーンランドと南極大陸を合わせて、毎年およそ200立方キロメートル余りの氷が失われてきたと、専門家は見ている。つまり、年間2000億トンほどの氷が解けているということだ。2100年までには、海面は少なくとも今より1メートル上昇するとの見方が今では有力だが、この数字でさえ控えめすぎるかもしれない。

     「ここ数年の観測で、グリーンランドと西南極(南極大陸の西半球にある地域)の氷床の解け方が速まっていることが確認されています」と、ニューヨーク市にあるコロンビア大学地球研究所の研究員ラドリー・ホートンは話す。「心配なのは、このまま加速し続ければ、21世紀末までに、地球全体で海面が1.8メートルも上昇する可能性があることです」

     米海洋大気庁(NOAA)が設置した専門家による検討委員会は昨年、2100年までに起こり得る四つのシナリオを検討し、海面が最大で2メートル上昇する可能性があると発表した。堤防の設計や監理などを担う米陸軍工兵隊は、1.5メートルの海面上昇を想定した都市計画を推奨している。

     海面の上昇が続けば、海抜の低い地域が水没するばかりか、高潮で浸水が予想される危険区域も広がる。こうした脅威は深刻になる一方だ。これまで100年に一度しか起きなかった超大型の嵐が、今世紀末までには10年に一度のペースで発生するようになるかもしれない。経済協力開発機構(OECD)は、海面の上昇を0.5メートルと控えめに想定したうえで、2070年までに世界の主要な港湾都市の住民1億5000万人と、世界の総生産の9%に当たる35兆ドル(3500兆円)の資産が洪水の危険にさらされると警告した。

     人類はすでに取り返しがつかないほど地球環境を改変し、より暑く、より海面の高い地球を未来の世代に引き渡そうとしている。日本列島の形が変わり、見知らぬ惑星のように変わり果てた地球。化石燃料に依存した人類の文明がもたらしつつある地球の未来は、まさにそんな姿なのである。

    ※ナショナル ジオグラフィック9月号から一部抜粋したものです。
    編集者から

     私の実家は川のそばにあるので、子どもの頃は大きな台風が来ると、よく床下あたりまで浸水しました。水が迫ってくると、家族総出で大事なものを2階に運び上げたものです。
     このように昔から水害に遭ってきたせいか、今回の特集で取り上げたハリケーン「サンディ」による甚大な被害を見ると、とても他人事とは思えません。実家のある地域では河川改修が進み、ここ30年くらいは洪水が起きていませんが、100年後も大丈夫かどうかはわかりません。じわじわと進む海面上昇に対して、どう立ち向かうべきなのでしょうか。特集では、オランダでその答えを探りました。(編集T.F)

    太古の森にすむ巨鳥 ヒクイドリ

    世界最古の熱帯雨林に暮らすヒクイドリのユニークな姿と生態を、世界報道写真賞2013を受賞した写真でレポートする。

    文=オリビア・ジャドソン/写真=クリスチャン・ツィーグラー

     オーストラリア北部やニューギニア島の熱帯雨林に生息する、ダチョウに次いで世界で2番目に重い鳥、ヒクイドリ。成鳥の雄がまっすぐに立つと、身長165センチの私を見下ろせるほど大きく、体重50キロを超える個体もいる。雌の成鳥はさらに大柄で、大きなものだと体重70キロを超す。

     それぞれの個体はすぐに見分けられる。長い肉垂とまっすぐなとさかをもつもの、とさかが右に曲がったものなど、さまざまなのだ。こうした明確な個体差と体の大きさ、そして空を飛べないという事実が相まって、彼らは奇妙なほど人間めいた印象を与える。体の大きさも動作も、人間によく似ている。

     彼らが長い間、先住民の神話で擬人化されてきたのもうなずける。ヒクイドリは人間の親戚だと信じる人もいれば、人間が輪廻によって生まれ変わった姿だという言い伝えもある。だが、人間と似ていない部分もある。雄が子育てをすべて引き受けることだ。ヒクイドリは父親が卵を温め、ヒナが孵化してから9カ月以上も世話をするので、人間の女性からうらやましがられている。
    巨鳥が支える太古の森

     実はこの鳥は、太古の熱帯雨林を支えるという重要な役割を果たしている。

     オーストラリア北部の熱帯雨林は、古生代後期から中生代に存在したゴンドワナ超大陸の名残だ。はるか1億年前、オーストラリア大陸と南極大陸はひと続きで、地表の多くを雨林が覆っていた。現在この地域で見られるのは、そうした太古の植物の末裔なのだ。

     ヒクイドリはこうした熱帯雨林で主に果物を食べて暮らしている。1日に数百個の果実を食べるが、消化力が弱いので種子は無傷のまま排出される。そのため、縄張りを歩き回るうちに、種子を森のあちこちへと運ぶことになる。自然に落下しただけでは移動不可能な場所まで種子を運んでくれるヒクイドリは、植物にとって頼もしい“種子の運び手”なのだ。

     さらに、多くの樹木にとってヒクイドリは唯一の運び手でもある。小鳥やコウモリ、ニオイネズミカンガルーのような有袋類の動物たちも果実を食べるが、体が小さいので大きな実を遠くに運ぶことはできない。そして熱帯雨林の木の多くは、果実も種子も大きくて重い。そのほうが薄暗い森の地面でよく育つからだ。

     森のあちこちで果実を食べ、種子をばらまく動物たちは、植物に新たな成長の場を与えることで、森の未来を創造しているのだ。なかでも果実を最もよく食べるヒクイドリは、森づくりのプロジェクトリーダーといったところだろう。

     ヒクイドリに発芽を助けてもらう植物もある。例えばアカリア科の一種(Ryparosa kurrangii)だ。オーストラリア沿岸の一部の熱帯雨林だけに自生する木で、ある調査によれば、ヒクイドリが関与しない場合はわずか4%しか発芽しない。だがヒクイドリの体内を通過した後の発芽率は、92%に跳ね上がるという。

     ヒクイドリが絶滅すれば、森の植物相は徐々に変わっていくはずだ。

    ※ナショナル ジオグラフィック9月号から一部抜粋したものです。
    編集者から

     鳥好きの人は必見!どの写真もとにかく素晴らしいのですが、ヒクイドリ自体が驚くほど表情豊かな鳥なのです。きっとあまり同意を得られないと思いますが、個人的には、目の横にある耳の穴が丸見えなのが何とも言えずカワイイです。2013年世界報道写真コンテスト自然の部(単写真)の1位に入賞した写真も是非ご覧になってください。(編集M.N)

    南極の未踏峰に挑む

    凍てつく南極にやって来た筋金入りのクライマーたち。大自然の猛威に立ち向かい、未踏峰の頂へと挑む。

    文=フレディ・ウィルキンソン/写真=コーリー・リチャーズ

     日本では富士山登山ブーム、世界的にはエベレスト登山ブーム。いっぽう、南極では、昭和基地の1000キロ西にある誰も登ったことのない山を目指す男たちがいた。登山家のフレディ・ウィルキンソンが体験をレポートする。
    テントごと吹き飛ばす「滑降風」

     私はこれまでに何度も、すさまじい強風を経験してきた。夜のヒマラヤ山脈に吹きつけるジェット気流や、恐ろしいうなりを上げるパタゴニアの嵐……だがこの日の風は、そのどれよりもひどかった。

     私は南極大陸のウォールタート山地のただ中にいた。テントの両側には二つの岩塊がそびえ、荒涼とした風景がどこまでも広がっている。
     ここから80キロ南へ行くと、南極台地の端にたどり着く。南極大陸内陸部の大半を占める広大な台地だ。その台地の斜面を吹き降ろすのが、滑降風(カタバ風)と呼ばれる強風である。

     強風が再び襲ってきた。テントのポールが内側にしなり、銃声のような爆発音とともに頭上の布地が破れる。次の瞬間、私はテントもろとも宙を舞っていた。強風に押されて斜面を転がったかと思うと、風よけ用に築いておいた石の壁にたたきつけられ、さらに壁の外側へと吹き飛ばされた。本やカメラの機材、汚れた靴下などがテントの中に散乱した。

     首と肩に鋭い痛みが走る。私はテントに開いた穴まで這っていき、破れた布地をつかんで大きく引き裂いた。暴風の中に頭を突き出すと、雪煙と砂が目を直撃した。私は思わず叫んだ。

    「助けてくれ!」

     ――私は登山を始めて10年ほどになるが、嵐でテントを失くしたことは一度もない。だが今回、私たちはすでにテントを三つも駄目にしていた。二つは雪に埋もれ、一つは私がテントもとろも強風に吹き飛ばされた時に壊れてしまった。あの時、助けを求める私の叫び声を耳にしたリベッキーは笑いながら、ずたずたになったテントから私を引きずり出してくれた。

     今回の遠征で何より身にしみて学んだのは、たとえ好天の日でも、滑降風は何の前触れもなく突然襲ってくるということだ。私は不安を振り払った。岩の裂け目を伝って岩塊を乗り越え、その先の平坦な岩壁をよじ登る。ついに私は頂上に到達した。

    ※ナショナル ジオグラフィック9月号から一部抜粋したものです。
    編集者から

     筆者は登山家でもあるフレディ・ウィルキンソン。ロッククライミングの記事は2011年5月号「ヨセミテ国立公園 巨岩の絶壁に挑む」でもご紹介しましたが、今回はただのクライミングではありません。南極大陸ですから、寒さだけでも相当なもの。南極名物(?)の滑降風(カタバ風)も彼らの行く手を阻みます。高さ350メートルの岩棚という信じられない場所で寝泊まりする様子は、電子版掲載の写真でご覧いただけます。(編集M.N)

    キンシャサ 脈動するコンゴの首都

    貧しく混沌としたコンゴ民主共和国の首都では、生きることへの渇望が独創的なアートを生み出している。

    文=ロバート・ドレイパー/写真=パスカル・メートル

     アフリカ大陸を流れるコンゴ川南岸に位置する芸術都市キンシャサ。面積650平方キロほどの都市部は、無数の生命がひしめく原始の海のように、人でごった返している。人口は約1000万人で、さらに毎年50万人ずつ増えているが、これだけの人々を養う力はこの街にはない。パンにする小麦すら外国からの輸入が頼りだ。

     キンシャサで長く人道支援に携わってきた専門家の一人はこう語った。「生きるのに必要最低限の食べ物は、ここよりも米国のほうが安く買えます。キンシャサはアフリカで、そしておそらくは世界でも最も栄養状態の悪い都市です」

     飲み水の水源となるコンゴ川とその支流には、都市から出る汚水がたれ流されている。舗装道路はほとんどない。住民の大半は学費が払えず、子どもを学校へ通わせていない。広大な国土をもつ国の首都でありながら、あらゆる都市機能がまひしている。政府機関もしかりだ。予算などなく、米国のある高官が「基本的には自己調達」とやんわり言い表したように、金のほとんどは賄賂や恐喝で手に入れている。
     前出の専門家もこう話していた。「特に警察は、ほぼ全員が賄賂に頼っています。警官をやっている理由はただ一つ、金のためです」

     貧困が深刻化し、政府が機能不全に陥った当然の結果として、キンシャサは無秩序な都市となった。だが、都会と村の要素が混在するこの街では、制度や組織への信頼が厚い先進国の発想は通用しない。
     その一方で、アフリカにありがちな苦悩や抑圧、絶望の物語とも一線を画している。ベルギー領だったこの国が独立を勝ち取ったのは1960年だが、モブツ・セセ・セコ大統領の独裁が長く続いた結果、公的機関や選挙で選ばれた指導者への期待はとうの昔に消えている。
    アートが秩序を保たせる

     それでも人々が希望を捨てないのは奇跡と言えよう。起業家精神が渦巻くこの街では、誰もが何かのセールスマンであり、自称スペシャリストだ。掘っ立て小屋に暮らす画家のように、混沌から何かを生み出そうとしている。

     「キンシャサは、学生が勉強をせず、労働者が働かず、役人が統治をしない都市だ」

     こう書いたのは、国立芸術学院の院長を務めるライ・M・ヨーカだ。この文章を目の前で読み上げると、彼はにやりと笑った。「キンシャサの強みは二つあります。一つは部族のるつぼだということ。この街にはあらゆる部族が混在していますが、部族間の衝突はありません」

     もう一つは「創造性と即興性」だとヨーカは言う。
    「よその人にはただの混沌状態にしか見えないかもしれませんが、私から見ればそんなことはまったくありません。ここでは、法律などではなく文化的な規範が“裏システム”として機能し、秩序が保たれています。私たちは持っているものを活用して、困難を切り抜けるんです」

     ヨーカが語るこの特質は、アーティストの感性にほかならない。
    「アーティストは政府に頼ったりしません。芸術活動は、先の見えない苦しい生活に耐え、夢を見るための手段となります。そして激しい感情が創作への意欲をかき立てる。ここで言う感情には二つの意味があり、一つは苦難を耐え忍ぶ思い、もう一つはアートに対する強い情熱です」
     そう、それがキンシャサ。苦しみこそが創造の源泉なのだ。

    ※ナショナル ジオグラフィック9月号から一部抜粋したものです。
    編集者から

     特にひかれた写真は、製パン工場からバゲットを出荷している人々のいでたちでした。どうでしょう、この色使い。ビビットな柄ものを品よくまとめた行商のおばさんたちが一幅の絵のように見えます。実は、ただいま編集作業中の10月号にも、再びコンゴの特集が登場します。今度は東部の鉱山で、服の色もわからなくなるほど泥まみれになって働く人々に目が釘づけになります。ぜひ、次号も読んでみてください。(編集H.O)

    失敗に学ぶ 成功に欠かせない苦い体験

    探求につきまとう「失敗」は嫌われ者だが、実は成功や進歩に欠かせない存在として評価されつつある。

    文=ハンナ・ブロック

     科学技術の可能性に心を奪われた一人のスウェーデン人技師が、19世紀の末、とんでもない挑戦を思い立った。水素気球に乗って、北極点へ空から一番乗りをしようというのだ。

     探検家たちは長らく陸路から北極点到達を目指していたが、いまだ成功例はなく、大勢が命を落としていた。空から行けば、かなりのリスクを避けられるのではないかと、この男サロモン・アウグスト・アンドレーは考えた。

     こうして1897年7月のある風の強い日、アンドレーは2人の若者とともにスバールバル諸島の小島で、直径20メートルの気球につけたかごに乗り込んだ。木製のそり、数カ月分の食料、連絡用の伝書鳩のほか、アンドレーが旅の終わりに着るつもりのタキシードまで積み込まれた。報道関係者や支援者たちが手を振るなか、人類未踏の極地を目指し、一行は旅立った。

     離陸直後から、気球は風に翻弄された。霧が凍って着氷し、その重みで高度が下がっていく。彼らの気球、エルネン号(エルネンはワシの意)は北極海の海面や海氷の上をかすめながら、65時間半にわたって低空飛行を続けた。

     それから33年後、アザラシ狩りの猟師がアンドレーらの凍った遺体を偶然に発見した。一緒に見つかったカメラや日誌から、気球は北極点から480キロ離れた氷上に不時着したことが判明。一行は南へ向けて3カ月間も歩いた末、ついに力尽きたのだ。
    失敗があるから成功がある

     失敗は、あらゆる探求につきまとう亡霊だ。誰にも望まれず、常に恐れられ、見て見ぬふりを許さない。だが手痛い失敗を通じて見直しを迫られなければ、進歩もまた望めないだろう。

     ここへ来て、失敗の重要性への認識が高まっている。教育者は子どもたちがどうすれば失敗を恐れなくなるかと心を砕き、ビジネススクールでは失敗から得られる教訓を教えている。心理学者は失敗に対処する心の動きを研究し、成功のチャンスを高めようとしている。
     そもそも英語のsuccess(成功)という言葉自体、「後から来る」という意味のラテン語に由来する。そして何の後から成功が来るのかと言えば、そう、失敗の後なのである。失敗と成功は切っても切れない間柄なのだ。

     最悪の失敗ですら、次はやり方を変えたほうがいいと私たちに教えてくれる。「エベレストに挑んだ最初の4回の遠征では、どうやったら登れないかを学びましたよ」と、この世界最高峰に7度の登頂を果たした米国の登山家ピート・アサンズは言う。
    「失敗は、アプローチに磨きをかけるチャンスを与えてくれるんです」

    ※ナショナル ジオグラフィック9月号から一部抜粋したものです。
    編集者から

     この記事の末尾に、よく知られた大失敗の事例がリストにまとめて収録されています。
     実はここで思いがけず、懐かしい名前に“再会”しました。お相手の名は「タコマ橋」。設計ミスがあだとなり、風と橋の共振現象がもとで崩壊したつり橋です。高校時代に物理の授業で記録映像を見せてもらったのですが、人や車を載せた橋が、まるであめ細工のように大きく波うつ様子に、思わず息をのみました。
     崩落までの一部始終が映像として残っているのも衝撃でしたが、この詳細な記録があったことで、風による振動の研究がぐんと進んだそうです。(編集H.I)

  • 加速する海面上昇
    巨鳥 ヒクイドリ
    南極の未踏峰に挑む
    宇宙で一番高い山は?
    巨大な写真で世界を変える
    脈動する都市 キンシャサ
    失敗に学ぶ

  • 一番興味深く読んだのが「キンシャサ 脈動するコンゴの首都」。

    この雑誌を読んでいなければ、
    一生この国の事は分からなかったかもしれない。
    それどころかコンゴがどこにあるか?なんて考えもしなかったかもしれない。

    都市から出る汚水がコンゴ川に垂れ流され、
    市民が唯一頼れる存在である警察ですら、ほぼ全員が賄賂に頼っている。
    レイプ被害者の女性は後を絶たず、貧しい親達は子供を捨てる。

    この国は一体どこへ向かっていくのだろう?
    腐敗しきったこの国でも、必死で生きていく人間達がいる。
    次号でもコンゴの特集が組まれているようで、楽しみでもあり怖くもある。

  • 太古の森にすむ巨鳥 ヒクイドリ

    この記事の一枚の写真に見覚えがあった。それはこの夏行われた2013年世界報道写真展であった。
    自然部門の1位となっており、大きなキャンパスに貼られた写真には、鮮やかなブルーの顔の巨鳥が同じくブルーの神秘的な果実ビャクダンをついばむものだった。不思議と惹かれてしまった一枚だった。

    この鳥は縄張り意識が強く、大きな身体と同じく広い土地が要する。土地を要するということは環境保護と人間の経済活動のジレンマに挟まれた複雑な問題を抱えている。そこに加え、ヒクイドリの棲む森の多くの樹木はこの鳥に種まきを依存している格好の様だ。

    この大きな身体を支えるには大量の果物を必要とし、排泄の際に種が運ばれる。中にはヒクイドリの体内を通過することで、発芽率を急激に上げる植物まであるとは驚きである。

    先進国のオーストラリアでさえも環境問題と経済活動のジレンマを抱えており、それは今日の世界共通の問題でもある。
    この複雑な事象を問題提起するために、報道展において1位を上げた側面も否めないのではないだろうか。

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