オーガストウォーズ [Blu-ray]

監督 : ジャニック・ファイジエフ 
出演 : スベトラーナ・イヴァーノヴナ  エゴール・ベロエフ  マクシム・マトヴェーエフ 
  • Happinet(SB)(D)
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953043718

感想・レビュー・書評

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  • ロシアでは、「8月戦争」と言うと、2008年8月の「南オセチア紛争」のことらしいです。知らなかった,,,

    ロシア版「トランスフォーマー」と聞いていたが、
    最終的に、少年のお父さんが、惨殺されるシーンで、全ては、少年の「現実逃避」なのだと、気づく。それ以外は、質の高い戦争映画の様相。

    劇場パンフでも指摘されていたが、ハリウッドでは、「味方がM4、敵がAK-47」だが、本作は、「味方がAK-47、敵がM4」。
    市街戦シーンが、秀逸。ハリウッドでも、なかなか観ることができないクオリティ。
    RPGを撃たれそうになったら、「RPG!」と叫ぶのは、万国共通ですね(「エンド・オブ・ホワイトハウス」にもあった)。

  • 完全に表紙に騙される。表紙はトランスフォーマーをほうふつとさせるロボットしかし実際はロシアとグルジアの戦争を描いた映画でロボはあまり関係ありません。

  • 本映画は2008年にロシアとグルジアの間で起きた戦争、南オセチア紛争(別名:8月戦争)をテーマにしたロシア映画です。
    グルジア軍の奇襲攻撃からロシア軍の反攻開始までを描いており、ロシア政府の自重ぶりと混乱の中で戦うロシア兵の強さが強調される等、宣伝臭の強い作品です。
    とは言え、単なるプロパガンダ作品と言うのではなく、見所もある作品でした。

    では以下であらすじをご紹介。

    グルジアとの緊張が高まる中、幼いチョーマは母により、別れて暮らす父のもとへ送りだされる。
    父とその実家はグルジアとの国境地帯にあったが、新しい恋人に夢中な母はグルジアとの緊張状態に気がつかなかったのだ。

    そして戦争勃発。

    目の前で父と祖父母を殺されたチョーマは戦地にただ一人取り残され、またその時に負った脳震盪により大好きなロボット演劇の幻覚を見る様になる。

    一方、息子の危機に目が覚めた母は彼を救う為、単身戦場に乗り込むが・・・



    息子救助の為、投資銀行勤務の恋人に助力を請う母と、その願いを拒む恋人
    混乱の中、避難する人々とは逆行して戦地に向かう母と、一旦は彼女の願いを拒むものの、最終的には自らの作戦行動に同行させるロシア軍人。(しかも彼が率いる部隊は強いのだ)
    待ち伏せ、奇襲攻撃等、グルジア軍に苦しめられる中、取り残された民間人救助の為、苦闘するロシア軍。
    そして侵略国家の烙印を押される事を恐れ、反撃をためらうロシア大統領、メドベージェフ。

    等々。



    恐らくロシア社会でその高給ぶりに反感を抱かれる事もあるであろう、投資銀行の人間を否定的に描き、その一方で安月給で命を危険にさらす事となる前線のロシア兵を肯定的に描く。

    また混乱の中、苦闘しつつも着実に成果を上げていくロシア兵の強さ、メドベージェフの慎重さも合わせて描き出す事により、ロシア大衆の間に政府の正当性を訴え、彼らに間に愛国心、徴兵への積極的な対応を呼び起こそうとする意図が手に取る様に分かる内容でした。

    正にプロパガンダ映画そのものです。

    とは言え、冒頭で述べた様にそればかりとは言えません。

    そう思った原因は、脳震盪を負ったチョーマへの母の呼びかけに有ります。

    彼女は携帯を通じ、息子に何度も必死に連絡を取ろうとするのですが、その連絡において最初は自らをママと呼んでいたが、息子から一切応答がない。
    すると今度は彼を彼が大好きなロボット演劇の主人公の少年コスモボーイ、そして自分をその相棒のロボットになぞらえ、自分からの連絡をロボットからコスモボーイへの通信とする事により、何とか息子からの応答を得ようとする。

    実は映画の冒頭では、母親が息子のロボット話へ余り興味を示していない姿が描かれており、これとの対比により母のなりふり構わぬ姿が強調されています。
    また映画の最後の方では、自分に銃口を向けるグルジア兵に対し、その目を直視しながら

    「私は息子を助ける為には何だってする。きっとあなたの母親もそうするでしょうね」

    と告げる事により、相手から見逃されるばかりか、助力すら得る。

    またこれ以外に作戦中のシーンにおいて、部隊指揮官(チョーマの母を助ける紳士的なタフガイ)が呑気に電話をかけてきた自分の母親を心配させまいと、「工事現場にいるからうるさいのだ」と答えるシーンがあり、これも上述のチョーマの母の必死さと合わせ、「母と息子の特別な関係」を強調している物と言えるでしょう。

    もしかしたらロシア男性はマザコンぶりが他の国の男性と比べて強いのかも知れませんが、しかし母と息子の関係を特別視する傾向はその程度に違いこそあれ、世界各国にて恐らく普遍的なものであり、それ故に映画に対する共感を引き起こすと言えるでしょう。

    あるいはここまで計算ずくだったのかも知れません。

    仮にそうであれば、「侮りがたし、ロシアプロパガンダ映画」と言えるのではないでしょうか。

    まあ、これは男性にしか通用しないって話もあるでしょうが、しかし元々戦争映画ですからね、作っている時点で観る人は大体予想がつくと言うものです。

    ちなみにこの映画、まるでトランスフォーマーの様に戦車がロボットに変形するシーンがありますが、これらはチョーマの幻覚として扱われています。
    決して、ロボットが実際に戦っていると言う類の映画ではないので、その点はご注意を。

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