最悪 (講談社文庫) [Kindle]

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  • 奥田英朗は「伊良部シリーズ」以来。なんで手に取ったか忘れたのだが、多分、Amazon のセールか何かだと思う。しかし、この手の転落ものなら、ダグラス・ケネディを読み返した方が良かった。

    周辺住民とのトラブルに巻き込まれつつ日々の仕事を懸命にこなす町工場の社長、名古屋の実家はとっくに崩壊し、川崎に出てきてカツアゲとパチンコの膿んだ日々を過ごす20歳の男、家では妹がグレていて、仕事ではセクハラを受けた上に行内政治のダシにされる銀行OL。3人の人生模様が、転落しつつ徐々に絡み合い、ついにクライマックスで完全に合流する。まあ、よくある構成といえばよくある構成だが、さすがのストリーテラーぶりで一気に読ませる。しかし、話が長い割にはカタルシスがイマイチな印象で、支店長や玉井課長、マンションの隣人太田(これがまた嫌な奴なのだ)、下っ端ヤクザの山崎やタカオといった登場人物にはもう少しふさわしい結末を用意して欲しかった。特に柴田老人の使い方は、もっとみどりの悲惨さを演出できただろうに、もったいない。ラストもどっち付かずで中途半端。もちろん、そこが作品の狙いというところもあるのだろうが、読後はスッキリしたいものだ。

  • 私もそうだけど世の中運の悪いというかやることなすこと裏目に出る人っていますよね(^=^;
    三人がどう繋がっていくのか先がなかなかみえないまま終盤へ。
    こういうストーリー読むと誰も信用できなくなる。。。(笑)

  • 夜を徹して、一気に読んだ。どこまでも「最悪」へと転がっていく物語。どこかに救いのようなものを求めて読み進めずにはいられなくなる。

    とはいえ後半に進むにしたがい、これってもしかしたらギャグなのか?とも思える展開を見せる。

    それはつまり、最悪であるということは笑うしかないくらい、最悪であるということなのかもしれない。

    それは逆から見れば「最高」とも言える、のか?

  • 久々の奥田英朗作品。
    僕が勝手に名付けている二文字熟語シリーズの中核で、その名も「最悪」。
    零細鉄工所の経営者、一般職の女子銀行員、親に見捨てられたチンピラの
    3名が、それぞれ最悪の状況に陥り、にっちもさっちも行かなくなる、
    というのが大まかなストーリー。

    ・・・いやもうなんつーかねぇ・・・。
    本当の本当に、マジでサイアクなんだ、この作品(^^;)。
    ともかく登場人物全員に、とんでもない不幸がこれでもか!とばかりに
    降りかかる。ちょっと考えればほぼあり得ない展開なのだけど、文章を
    追っている段階では無い話では無い気がしちゃうくらいもの凄いリアリティ。
    こういう描写を見てしまうと、改めて奥田英朗のセンスを再認識せざるを得ず。
    いや、ちょっとしたイヤミスです、コレ。

    ただ、自分に置き換えて考えてみると、
    「ここの人たちより不幸なんじゃねぇか、オレ?」と思える場面がいくつか
    あった、というのが個人的にちょっと(^^;)。
    まぁそういうのは人それぞれだから、あんまり置き換えるようなモンでも無い
    のだけど(^^;)。

    この後は引き続き二文字熟語シリーズの大物、「邪魔」を読むつもり。
    またどんよりしちゃうんだろうな、きっと。

  • 90年代の小説ですが、今読んでも全然そんな古さを感じない。

    同じ街に住みながらも、全く接点はなく

    日常に不満を抱えながらも、それぞれの人生を生きてきた3人が

    ちょっとした綻びから、徐々に傾いていき

    接点をむかえた時には、人生最悪の日となる。

    このストーリーを描ける作者の奥田さんの頭の中がすごい!



    そして何よりも傾いていく人生の中での3人の心情が

    とっても繊細に描かれています。

    自分がこの3人の中でだったら、誰に感情移入していくのか

    それも読む楽しみだと思います。



    “最悪の日”からのその後もとっても納得がいく展開。

    これは名作です。

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