元々、妻である田口恵美子の『メジャーリーガーの女房』が読みたくて買って、そのついでにこちらも購入。
実に興味深い内容でした。田口ほどメジャーである意味『成功』した選手はいないと思う。もう一人は川崎か。この2人は、マイナーに落とされても諦めず、メジャーで生き延びるためにあらゆることをやり続けた。人柄で周囲からも受け入れられ、そしてそのプレイで信頼を勝ち得た。マイナーで腐って2年間飼い殺された挙句に日本へ戻ってくる某選手とは大違いだ。
その時の面白い話、興味深い話がいろいろと載っている。正直、それほど目新しい話があるわけではない。が、著者が著者の目線で見て、考え、自分の言葉で発している、という点がこの本の一番の価値であろう。
とりわけ、現在のNPBのシステムに対する警鐘、改善提案については、全ての関係者が耳を傾けるべきであろう。もちろん事はそう単純な話ではないし、僕から見て「ちょっとちゃうんやないの?」と思うこともある。が、元選手がその体験から述べている改善案なわけだ。耳を傾け、実現可否と費用対効果の検討などをやる価値は十分にあると思う。特にプロ・アマ協定なんて、とっとと撤廃して、野球界として動けるようにしていくべきだし。
そして、同様に多くの元選手も、同じように改善案や変更案をどんどん口に出していって欲しい。そして改善の必要性を考えるOBたちが集まって、何らかのムーブメントを起こしていく、そういう動きを強めていってほしいと思う。既得権益にしがみついているジジイどもを何とかしないと、NPBは衰退するだけだ。
そういう意味でも、松井秀喜、古田敦也、この辺りの「自分の考えもあり、影響力の大きいOB」からの発言を期待したいところだ。
そんな風に思わせられた一冊でした。
にしても、やっぱり嫁のほうが文章上手やなww
嫁は元々ライターもやってたし、ってのもあるけど。