お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • モンテッソーリ教育を知るためにまず最初に読んだ本。柱となる考え方がよくわかる。また家で簡単に作れる具体的な教具の提案もあり参考になる。巷でモンテッソーリ教育というと関連する指南書や教具が様々販売されているが、モンテッソーリ自身はお金をかけなくてもできる教育法であるとうたっているので、惑わされないようにしたい。

  • ■要約とメモ
    スポーツには「ゴールデンエイジ」という時期がある。これは「この年代の時は、技術的な動きなどの習得スピードが最も速いため、スキルの習得に最も適した年代」のことを指す。言葉を変えれば、「このタイミングを逃してしまうと、それ以降の技術習得は、ゴールデンエイジの頃と比べて非効率であり困難」ということ。(勿論不可能ではないが)
    子育て、子どもの成長にもそれと同じ時期がある。それを本書では「敏感期」と呼んでいる。

    自分も子を持つ親であるが、子どもがする一つ一つの動作や主張、感情の表現については、日々、「なぜそれをするのか。何を考えているのか。」など疑問を持っていた。
    本書で取り上げられているモンテッソーリ教育は、まさにその「子どもが“それ”をする理由」に立脚した教育方法。
    「子どもは特定の技能・知能などの発育において常にゴールデンエイジなのである。子どもたちが自然にやっていること、やりたいと主張する裏側には理由があり、それは技能知能習得と密接に関わっている。」と主張する。
    つまりは、「興味がある・やりたいこと」は、本能的に「技能知能の発育」という目標のもと行われているということ。

    例えば、ティッシュを引っ張り出したり水をわざとこぼすような「イタズラ」は、子どもたちにとっては、決して「イタズラ」ではなく、知能技能を身につけるための「実験やトレーニング」なのである。

    本書は、「このモンテッソーリがどのようにして生まれたのか・どのような考え方に基づく教育理論であるのか・どの年代はどのような体験をどのようにさせるべきであるのか」など、モンテッソーリの全体像が説明されている。
    そのため「モンテッソーリ入門書」として、とても良いと思う。

    一つ残念だったのは、「年代別の取り組むべきこと」が文章としては記載されているが、「年代別一覧表」として起こされていたらもっと良かったと思う。
    私も本書を足がかりに、他のモンテッソーリ関連の本を読むなどして、理解を深めていこうと思う。

    (因みに、本書のタイトルである「母親の敏感期」とはモンテッソーリを理解し子どもの欲など敏感期に対してどう応えようかと考え、“母親が試行錯誤する時期”を指している。子どもの敏感期に対応するためには、親は「今まさに自分自身も敏感期にいるのだ」と理解し、冷静に対応することもポイントである、と解説されている。)

  • まだ妊娠中の身ですが、モンテッソーリ 教育に興味があり読みました。

    私自身が効率を追い求め何事もパパッとやってしまう性格なだけに、子供への接し方を考えさせられる本でした。
    この本では、子どもがなぜぐずるのかがよく分かります。

    秩序があるはずの世界を求める時期がある、ということで普段と違う道、普段と違うルーティーンにすると余計にグズって大幅に時間がかかってしまうということも勉強になりました。

    大人が急いでるからといって子どもの代わりにやってしまうことは簡単ですが、子どもの自立にも繋がりませんし、何でも自分でやりたい時期がある、ということと、その時期に何でもやってもらう方が良い、ということも分かりました。

    やり方を教える時は言葉を使わず、ゆっくり丁寧に1つずつの工程を見せること。子どもは速いスピードに追いつけないので、牛乳を開けて注いでしまうのも、洗濯物を畳むのも、1個ずつゆっくりやらないと分からない、ということも分かりました。

    とはいえ、実際に子育てが始まったらそんな理想通りに行くか分かりませんが、子どもがやりたいと思うことをなるべく「見守れる」親を目指したいと思います。

    それと最後の方に記載のある手作りのおもちゃは全部は無理ですが作ってみたいです!

    kindle unlimited

  • はじめてモンテッソーリ教育の本を読んだ。早く知っていればよかったなという内容がたくさんあった。これからいろいろ勉強したい。
    子どもの敏感期については詳しく書いてあったが、お母さんの敏感期の具体的なことはよくわからなかった。

  • 子供には成長時期に応じた「敏感期」が存在する。この「敏感期」は、何かに入れ込む時期と解釈でき、成長段階によって何にこだわりを持つかは異なる。
    (例)秩序、ひも結び、音 など

    モンテッソーリ教育は、この「敏感期」がキーワードとなる。以下に子育てにおける手順を記録しておく。
    ① 母親は子供をよく観察することにより、まずはこの「敏感期」を捉える必要がある。
    ② 「敏感期」に応じた指導*や教育ツールを提供する。
    ③ 子供に思う存分やらせる。親は口出しはしないこと。

    *大人が手本を見せる際の方法
    指導する動きをまず大人が分析する。
    子供の右側に位置取り、ゆっくりと動きを見せる(子供は動きを追うのに真剣なため、言葉での説明はしないこと)。
    子供にやらせる。一回で理解が無理なら、もう一度見せる。

  • 敏感期の息子の行動への意味づけが進み、適切に関わり見守る上でのヒントが得られた。

  • モンテッソーリ教育という言葉は聞いたことはある程度でイマイチ何のことだか分からなかった。感受性が特に敏感になる幼少期の発育方法がモンテッソーリ教育ということらしい。
    敏感期があるということを知っておくだけで、ストレスが少なるし、子どもとの接し方に役立ちそう。大切だと思ったのは以下3点。
    ・子どもが何かを集中してしている時は、敏感期なので不思議に思うことでも観察し見守ること。
    ・子どものまちがいを訂正したり叱りながら教えるのではなく、黙ってやってみせる。動作をみせる時は言葉ではなくゆっくりみせることで子どもは集中し感じることができる。
    ・「自立」と「自律」が大事。(自律はまだイマイチ感覚が分からないが。。)

    メモ
    ・モンテッソーリはもともと医学生で、ある日子供が手を使いながら深く集中している姿に感動したことがきっかけで子供の中に何が起こっているのか、子供の研究をするようになった。
    ・おけいこごとは、集中してひとつのことをする喜びを知るためである
    ・小さいときにもっとも大切なのは、「日常生活のことをひとりですること」
    ・三歳から七歳ぐらいの間は、聴覚の敏感期です。微妙な音の差異にも気がつくという一生に一回だけの時期
    ・子どもの不機嫌な反応は、敏感期にある子どもが何かに強い興味や関心をいだいたにもかかわらず、大人の鈍感さによってその興味が断ち切られたときにあらわれる
    ・生後数カ月から表れて2~3歳頃をピークとし、6歳にはほとんど消えるのが、秩序の敏感期。いつも決まったこと(順番、場所、所有物、習慣)をしないと気が済まない。叱らず何が違うのかを読み取る。
    ・3-6歳の時期は、感覚の敏感期。この時期に5感をよく使い洗練することが専門性、芸術性を身につける。
    ・4歳前後は、運動の敏感期。体を100%動かせるのはこの時期のみでこの時期に全力投球した子どもは小学生以後も力を出し切ることができる。但し、現代は大きな動きをする場所が少ないので、大人が意識してつくる努力をしなければならない。また、指先を使うことで字を書く土台も作れる。さらに、子どもが自分で「動き方」をよく見て、自分で取り組めるような機会をたくさん提供することで学ぶ力も身に付く。運動は、雑巾を絞るなどの家庭でできる単純なことでも良い。動作を理解し責任を持ってやり遂げるという習慣を身につけることが塾以上に重要なこと。
    ・3~6歳に徹底して身につけておくべき基本的技術は「折る」「切る」「貼る」「縫う」。達成感を味わい、挑戦することを学ぶことで、就学前の土台になる。

  • 今現在、自分の娘は1歳半。これから彼女にどう接していけば良いかの指針になった。

著者プロフィール

相良敦子(さがら あつこ)
1959年生まれ。脚本家・作家。
学習院大学文学部史学科卒業。
制作現場を経て、NHKの脚本懸賞入賞を機にデビュー。
以後、テレビドラマを中心に、ラジオ、映画、舞台、小説、絵本と、幅広いジャンルで執筆している。
主なテレビドラマに、連続テレビ小説「ウェルかめ」、「バッテリー」、「七子と七生」、「昨日の敵は今日の友」、「シングルマザーズ」、「サイレント・プア」(以上NHK)など多数。

「2022年 『感動する、を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

相良敦子の作品

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