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感想・レビュー・書評
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【稲盛が持つ「静」の部分は社員への愛情、「動」の部分は事業への闘志と言い換えることができる】(文中より引用)
齢80にして破綻したJALの再生に乗り出した稲盛和夫。フィロソフィとアメーバ経営で知られる名経営者の前に立ちはだかったのは「計画は一流、言い訳は超一流」とされるエリート意識から抜け出せない社員たちであった・・・。知られざるJAL再建の内幕と稲盛氏の哲学を追ったノンフィクション。著者は、「日本経済新聞」などを経て独立したジャーナリストとして活躍する大西康之。
経営者としての稲盛和夫の迫力に飲み込まれることはもちろんですが、どうして翼れ折れたJALが稲盛和夫の言葉に耳を傾けるようになったのかというのも本書で指摘される重要な論点ではないかと思います。「変わりたい、けど変われない」日本組織の悲哀を見る思いでした。
変化というのはかくも難しいものなのか☆5つ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「問題が起きたら部下任せにせず、自分が動け。自分で決めて自分でしゃべれ。その姿を見て部下が育つ。それがリーダーだ」という一節が非常に印象に残った。リーダー自身が語るリーダー観ほど参考になるものはないと感じた。
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稲盛和夫のJAL再生に関する記録です
肝はお得意の「アメーバ経営」ですが、稲盛節的な経営哲学に基づくJAL再生の道筋がすごい
特に
「数字にはすべて理由がある」
「当り前の規範に従って経営を行う」
あたりは参考にしたい
また、あくまで本人の著作ではなく、周囲から見て客観的な目で分析してすくい上げられる経営哲学というのもまた面白い
【引用】
「自分は今日、会社の利益に貢献したのか、それとも赤字を作ってしまったのか」が一目で分かるようになった。稲盛が編み出した「アメーバ経営」の威力である。
「日本企業のリーダーは、もっと強い意志力で会社を引っ張っていかなければならない。経営には格闘技と同じように闘魂がいる。闘志なき経営はダメだ。経営者は、自分の会社を何としても立派にしてみせる、という闘魂を燃やしてほしい。」
「予算」という言葉には「消化する」という官僚的な思考が潜む。
アメーバ経営では、リーダーに「自分のアメーバ(小集団)の数字は、すみからすみまで把握しろ」と教える。
「ウソをつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人には親切にせよ。子どもの頃親や先生に教わった人間として守るべき当然のルール。そうした『当たり前』の規範に従って経営も行っていけばいい。」
「不平不満を言う前に、まず自分が頑張ってみたらどうや」 JAL再生で稲盛が一番言いたかったのは、おそらくそういうことだろう。
稲盛は常々、人間を3つのタイプに分けて考える。自分のように常に新しい目標を見つけて行動を起こす「自燃性」、隣に燃えている人間がいると燃え移る「可燃性」、何をやっても火がつかない「不燃性」の3つだ。
なぜ収入が減ったのか。なぜ費用が増えたのか。数字にはすべて理由があるはずだ。それが分かれば、次の手が打てる。だが天気や景気のせいにした説明では、対策の立てようがない。それでは経営にならない。
水道。上下水道がなければ生活は成り立たないわけですから、水道は社会にとって絶対に必要なサービスです。その事業が赤字、というのはどこかに矛盾があるのです。必要な製品やサービスを手がける組織は黒字にならなければおかしい。
「問題が起きたら、部下任せにせず、自分が動け。自分で決めて、自分でしゃべれ。その姿を見て部下が育つ。それがリーダーだ。」
「京セラは『ものづくり』しか知りません。『井の中の蛙、大海を知らず』です。『されど天の深さを知る』。ものづくり、という1つのことを極めれば、真理にたどり着ける。」
経済を活性化し、国民の生活を豊かにするのは官による「規制」や「補助金」ではなく、民による「競争」である。 -
稲盛さんがJALをどのように再建させたか、強い意志と共に再編していった様子がリアリティ溢れて動き出す。
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経営者として素晴らしい。稲盛氏には東電をマネジメントして欲しい。
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以前から一度、この人についての本を読みたいと思っていた。
内容としては大変刺激の多い啓発書かつドキュメントであった。
ぜひ他の稲盛本も読んでみたい。 -
稲盛さんの動と静
同じ気風の会社で働いている自分は本当に幸せ者