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感想・レビュー・書評
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“ひとり”の生涯から、日本の歩みを紐解くシリーズ。「尼将軍」と呼ばれた、あの人。「皆心を一にして奉るべし」。
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以下、本誌より。
【田口卯吉(経済学者)の北条政子考】
「頼朝の悪性なるを懲らさんとの考案を以て嫉妬せり」
『田口鼎軒集』
後世、政子は「嫉妬深い鬼嫁」というマイナスのイメージを付して語られる事が多かった。
明治時代の経済学者である田口卯吉(1855~1905)は、これに異議を唱えている。
彼は長文の政子論を展開しているが、そこでは、政子が頼朝の浮気相手・亀前の屋敷を破壊させた話を例に挙げて、政子の嫉妬は普通とは違うものであると主張している。
田口によれば、
「彼女の嫉妬は尋常の嫉妬と云はんよりは寧ろ政略的の嫉妬」
であり、そこまで嫉妬を感じていなくても、頼朝の悪さを懲らしめようと考えてあえて嫉妬しているのだという。
そして、そんな政子は
「尋常の嫉妬を為すには余り怜悧」
であるとも分析し、新たな政子像を描いたのであった。
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