専門家はウソをつく(小学館新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  私は、まんまと騙されている側のような気がしますが、専門家という商品を情報消費として売ろうとするビジネスがあるので、それに翻弄されないようにね!という警告書なのでしょうね。勝間和代さんは、ある意味、専門家から批判されることによって、専門外の土俵に上がらざるを得なくなっても、このように正々堂々と相手のルールで戦おうとするところで「凄くメンタルが強い人なのだろうな」と思ってしまいます。また、テレビ出演でも(上手く利用されることを潔しとせず、そのために)自分の強みが発揮できなかったことで、決別を選んだのでしょう。

     でも、私も、専門家の端くれと言えるわけですから、専門家が「ウソをつく」理由も良く分かります。あらゆる視座から客観的に物事を見た場合、多くのルールは、その世界で生計を立てている人に都合の良いものに過ぎないわけですから…  例えば結婚披露宴で新婦ばかりではなく新郎までも「お色直し」をしたり、新郎新婦の父親がモーニングコートを着たり、母親が留め袖を着たりするのは、そうするのが普通だとか、来賓に対して失礼だというルールを売り物にして、衣装を貸している業者の都合に過ぎないのかもしれません。

  • 世にごまんといる「専門家」の存在を捉え直す一冊。アベノミクスの成果等のディテールは置いておいて、確かに著者が言うように専門家はウソをつく。いや、ウソをつくというか「あまり信頼してはいけない」。
    専門家と呼ばれる人の中には、偉くなった後も日々の研鑽を欠かさず、常に最先端の知識や技術を吸収しようと柔軟に物事に向き合っているかもしれない。しかし一方で、自分が「専門家」と呼ばれるようになった頃の知識や技術に固執してしまい、そこからアップデートしなければただの時代遅れの人に成り下がってしまう。
    だから専門家と呼ばれる人たちの言動には常にマユツバで向き合うべきだし、「専門家」と呼ばれる人自身は常に自己研鑽を欠かさないこと。それが、専門家を専門家たらしめる要素なんじゃないかな、と本書を読んで感じた。

  • とても良い本。

    但し、気に入らない点をあえて一つだけ挙げるとすれば、「リフレ政策」あたりの記述は余計だった。

    もちろんリフレ政策は正しいのかもしれない。しかし、本書のテーマからは関係の薄い話なのに、かえってこれを持ち出すことによって、「政策推進派の当事者としての立場を守りたい意図が透ける」などと(不必要に)勘繰られる余地が生まれてしまった。

    本書のテーマが「専門家を疑う」というものである以上、著者自身の政策論争からは便宜上離れて述べてもらいたかった。

    繰り返しになるが、以上は「リフレ政策の是非」を問題にしているのでなく、「本書の説得力を左右する材料として適切ではなかった」と言いたいだけである。

  • 衝撃的なタイトルですが、専門家のすべてを批判しているわけではなく、トンデモ専門家と優れた専門家をみわけるリテラシーを磨くことが大切と説いている素晴らしい本です。アメリカではクリティカルシンキング(批判的思考)は当たり前で、教育のなかでとても重視されていますが、日本人はどうもこれが苦手な人が多いようです。過去にも、メディアを鵜呑みにした視聴者が、納豆や白インゲンを買い求め、話題の商品が街のスーパーから消えるという現象が起きていますよね。

    お恥ずかしながら、かくいう私も、アメリカの大学で学ぶまでクリティカルシンキングの習慣はもっていませんでした。どちらかというと、テレビや雑誌で専門家が言っていることを鵜呑みにするタイプ。特に情報が溢れているこの時代、どれを信じるかは、自分の選択判断と責任なのですよね。そして”パラダイムはつねに変化し続けている”ということを肝に銘じて、専門家の意見を上手に取り入れていかなければならないのだと思わされる一冊でした。

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著者プロフィール

東京都生まれ。経済評論家(兼公認会計士)。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産。在学中から監査法人に勤めるが、ワーキングマザーとしての働きにくさから外資系企業に転職。以後、外資系数社を経て、経済評論家として独立。労働生産性の改善などが得意分野。
男女共同参画会議「仕事と生活の調和に関する専門調査会」専門委員。ワーキングマザーのための無料会員制ウェブサイト「ムギ畑」(http://www.mugi.com)を主宰。3女の母。
著書に『インディでいこう!』『猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?』(共著)『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』(以上、ディスカヴァー)、『マッキンゼー組織の進化』(ダイヤモンド社、共著)などがある。

「2007年 『ワーク・ライフ・バランス手帳2008』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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