- Amazon.co.jp ・電子書籍 (6ページ)
感想・レビュー・書評
-
身分の貴賤の上下はかつて頻繁であったが、徳川太平の世以降、落伍者は落伍者はとして固定された。エタはエタとして、非人は普通人と入れ替わり得る境界として定まったとする。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸時代の身分制度(士・農・工・商・エタ・非人)は、何らの理由によって社会の落伍者となった最下層に位置付けられた人々であり、子孫永く祖先の落伍を世襲させられた。徳川泰平の世において、一旦定まった社会の変更を許さない極端な体制維持を行おうとした結果から生じた負の歴史である。今や職業の世襲は全く解放されており、特殊部落の人々が落伍の状態を世襲すべきでないと論じている。歴史学者【喜田貞吉】の『民族と歴史 特殊部落研究』から大正8年の初出稿である。
-
■書名
書名:エタと非人と普通人 [Kindle版]
著者:喜田 貞吉
■概要
江戸時代の人間関係について記載した一冊
■感想
短い文章だけど、身分制度の問題点について触れられた一冊。
ただし、具体的な解決策は提示されない。
こうあるべきという考えが提示されているだけ。
この問題点は、実は、今の日本にもそのまま当てはまる部分は
ある。
まあ、個人の努力次第だけど、ここにっ記載されている問題点を言
い訳にしている人間も数多くいると思う。
■自分がこの作品のPOPを作るとしたら?(最大5行)
今の時代にも当てはまる身分制度の考察。
日本にいる限りは、他人ごとではない。
■気になった点
・しかるに徳川太平の代は、一旦定まった社会の秩序の変更を容易
に許さなかった。落伍者の子孫は永く落伍者としてそのままに存
置された。一旦エタの仲間として認められたものは永久に足洗を
して平民となることを許されなかった。
・過去に於いて落伍者の子孫必ずしも落伍者ではなかった。そして
現在に於いて、また将来に於いて、必ず同様であらねばならぬ。