鳥類学者 無謀にも恐竜を語る [Kindle]

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  • 技術評論社
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感想・レビュー・書評

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  • 現代に生きる恐竜、それが鳥。
    この本を読むと、外で見かける鳥やかつて飼っていたインコも偉大な存在に思えてくる。

  • タイトルまんま、鳥類学者の視点から見た恐竜妄想記。

    ・よかった点
    適度にあほらしく、適度にトリビアで適度に夢がある。
    恐竜のイメージがひと昔前の巨大トカゲで止まっていたので、羽毛恐竜とか初めて知った。画像検索するとなんじゃこりゃーな想像図が色々出てきて、キモいような面白いような複雑な気分になる。

    ・よくなかった点
    面白いけど言いたいことをあれこれ詰めすぎた感。
    半分くらいにネタを絞ればすっきり読めたかもしれない。でもこのガチャガチャしたユルさが持ち味なので多分ここを改善したら面白くない本ができちゃう気もする。

    総評
    あんま難しいこと考えたくないなー。ダラダラにやにやしながら何か読みたいなーという気分の時に最適。
    「愛とは信じることと許すことである。」の台詞がいいこと言ってるんだけどその一文その使い方でいいのかー、でも面白かったしまあいっかという気になった。
    あと画像の時点でクラゲ?と思った書影は骨格標本みたい。多分鳥だろうとは思うけど恐竜かもと思わせるところが演出だなーと思った。

  • 川上さんの文章は、独特のユーモアがあって、私は好きです。恐竜って、羽毛が生えてたんだ。

  • ちょっと長いし専門的だけど、著者の独特の筆致と欄外の補足にクスッと笑わせられる。

  • 恐竜がほぼほぼ鳥だ、というのは最近の風潮。で恐竜関係の本を漁っていたら、鳥類学者が恐竜を語る本に行き着いた。どんなものかと読んでみた。

    「恐竜は鳥だって言われてるけど俺らに言わせりゃぜんぜんそんなことないぜ」などと我々ニワカを突き放す内容かと思えばまったくそんなことはなく。

    恐竜の最新のデータに触れつつ鳥類学者としては、といろいろ語る。そんな内容。俺らと同じ恐竜好きなおっさんがたまたま鳥類学者だったと言うべきか。

    もちろん鳥類学者だからこその深い知見は多数ある。始祖鳥は後足の指が対向していないから木に止まれなかった、という話は確かに聞いたことあるが、カモメも同じだが余裕で枝に止まってると。

    鳥の行動は柔軟で、骨格にガチガチに縛られていない、というのはリアル研究者ならでは。

    夜行性恐竜の考察も面白い、

    一方、嘴は空を飛ぶ鳥だからこそ手に入れたもの。両腕を翼に変えたため腕の代替として嘴が発達したという。

    ところどころに不意に現れるしょうもないギャグをスルーできるなら、多くの人にお勧め。

  • 鳥類学者が軽口を叩きながら恐竜について語る本。鳥類は恐竜の子孫あるいはそのものであるため、著者は恐竜の専門家と言っても嘘ではない。内容は現在分かっている範囲で正しいことを言っていると思われるが、結構な頻度で余計なことも言っている。ブログよりちょっとマジメ程度の認識で読むのがいい。

    恐竜本をそれほど読んでいるわけではないため比較は難しいが、やはり鳥類学者が書いているせいか現生鳥類との比較・つながりについての説明が多いように思える。例えば恐竜の外見・色彩についての説明では、現生鳥類の色彩がどのように作られているかを述べ、それらが化石から分かるのは難しいと述べている。現生鳥類という答えがある対象を研究しているからこそ、化石から研究している恐竜学の限界がはっきりと分かるようだ。

    恐竜研究の世界は日進月歩で、10年前の定説が誤りとされることは不思議ではないし、名称もよく変わる。おそらく一般的な大人よりも子供のほうが正確な知識を持っていることだろう。従って本書の価値は恐竜と現生鳥類の対比にあるわけだが、多くの大人にとっては現在の恐竜研究の知識を得ることにあると思う。もっとも、本書も出版されてから4年になるので、今では変わっていることもあるかもしれないが。

  • 恐竜の話だった。内容は忘れたけど、まずまず面白かった。

  •  最近の研究で、鳥が恐竜の直系子孫であることがほぼ確実視されるようになっているそうだ。タイトル通り著者は鳥類学者だが、鳥類より恐竜の方が人気があることからこんな本を思いついたらしい。化石から推測される恐竜の生態と現在の鳥類の観察結果を繋げながら、どのように進化が起こったか考察している。

     2013年に出版された『ノンフィクションはこれを読め!2013』で、成毛眞氏がおすすめNo.1と紹介している。先日読んだ『バッタを倒しにアフリカへ』の著者が書いた『孤独なバッタが群れるとき』も紹介されているが、いずれも軽いノリの文体であり、学術漫談とでもいうべきジャンルが生まれつつあるのかもしれない。

     内容的には学者による一般人への啓蒙書であり、盛り込まれた情報はそれなりに豊富だ。ただし軽い文体のため密度が薄まっている印象は否めない。理系の学者らしい整然とした文体を好む読者であれば、ちょっとまどろっこしく感じるかもしれない。最後の方は著者の空想が延々語られているような部分もあり、これは蛇足に感じられた。

  • 自然の中で白い鳥は非常に目立つ。
    シラサギという種類の鷺はいない。田んぼなどでよく見かけるのはコサギだ。
    彼らは同じ仲間を見分けて群れをつくりやすくしているのだという。
    鳥の黒や褐色はメラニン色素により、これで有害な紫外線を吸収して体を守る。
    白い羽毛は紫外線を吸収できない。
    シラサギ類やホッキョクグマは皮膚の裏が黒っぽいく、紫外線をブロックしているという。
    また白い羽毛は紫外線を反射する。
    家畜化された鳥は皆白い。ニワトリ・アヒル・ガチョウ・ジュウシマツ。
    哺乳類でも家畜は白いものは多い。
    飼育は、白いというリスクをカバーしているということになる。

  • 鳥は恐竜と同じという。
    鳥と化石しかない恐竜の共通点を骨格や羽、色、大きさなどから比較分析しながらも、めちゃくちゃまじめで眠くなるような本ではなく、随所に、小ネタというかボケを連発して、軽く読み流せるような本。
    いつだったか忘れたが、ティラノサウルスに羽毛が生えているイメージ図をWebでみて非常に衝撃を受けていたので、この本を読むと、あの羽毛が生えてるイメージ図っていうのも、毛が生えた恐竜の化石が見つかったというところからきてる等の知識も得られる。(人生の役に立つかどうか?なんて気になる人はこの本を読まないだろう)
    目次を読むとわかるが、内容は、羽、色、声、毒、食性、移動、巣、子育て、夜行性、等々の切り口からの語りがボケと小ネタ入りで入ってる。

    読後感としては、筆者の川上先生は、なんで、鳥の研究を?鳥の魅力ってなんだろう?的な部分をちょっとでいいので語ってほしかった。(書いてあったのかもしれないが、ネタが多すぎて記憶に残っていない。)もしかすると、かなり若い時分に、恐竜との接点を見出していたんじゃないか?とか想像をしながら読むのも良いかも。

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著者プロフィール

森林総合研究所・島嶼性鳥類担当チーム長。西之島など離島の鳥類調査に従事。チーム名は自分で提案したのだが,「島」と「鳥」という字が似ていて時々混乱する。

「2023年 『羽毛恐竜完全ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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