- Amazon.co.jp ・電子書籍 (277ページ)
感想・レビュー・書評
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新しいテクノロジーによって影響を受ける人が持つ欲望の物語。例えばそれは大事な人を失いたくないあまりに磁性流体によって相手の内面を可視化し記録するだとか、機械と直接リンクすることによってよりリアルな感覚を得るとともに記録していくとか。2010年から11年の作品群であるためだろうか、今だったら違う技術をテーマにするだろう感が強い。VRとかAIとかでかなり置き換わってしまうんだろうな。その中でも興味深いのはヒト機械同化症候群。人間と機械の神経接続によって脳がもっている身体拡張機能がさらに拡大してあるはずのない刺激を実感してしまうという問題。これおそろしいですね。頭にチップ埋め込もうなんて実際に出てきてたり、生成AIによって記録した過去のデータを再生するだけではなくて、それっぽいものを再現してしまうなど現実世界はもっと先を行ってしまいました。ここまでくるとディックの世界の方が現実味を帯びてきますね。良いも悪いもないけど偽物とどうやってつきあっていくのかという世界が来てしまいました。またディック祭りするかな。
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各話に関連性はないタイプのSF短編集。
全ての短編共通で、中盤はほの暗い雰囲気になるがラストは希望が見える終わり方になっている。バッドエンドが苦手な方も安心して読めるだろう。
逆に言うと、どんな流れの話もラストはハピエンになるのだろうと2本も読めば予測がつくので、話の先が読めると飽きてしまう方には向かない。自分のことだ。
SFとして評価すると、短編集にこんな期待をするのは過度かもしれないが「物語の広がりを感じない」。風が吹けば桶屋が儲かる、またはバタフライエフェクトのような「現実にはないフィクションを物語に織り込んだことで思わぬ所に影響が出る」といった要素が見受けられない。
自分はSFを読む際にこの"桶屋"の部分を楽しみにしているので、そこがちょっと残念だった。
小数点までつけられるなら★2.5。 -
著者の作品は、人類に対する眼差しが暖かい。その可能性を信じていることが伝わってくる。短編集となっており、どのエピソードも、著者の熱い思い、信じる心が感じられる気がした。
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わりとよかった。冒頭のグライダーの話はわりと暇だったが。つまんなくやいあれ?
謎物質が時計に色々やらかして分明が不自然に発展しちゃう話とかはおもしろかった。職人魂とかは弁護士の仕事に通ずるものがなくはない。
深海の話はよかった。機械と感覚が一体化するなんていかにもありそう。おじさんの朗らかさがまた不気味でいいよね。あんたもう人間じゃねえだろ!?って小一時間問い詰めたくなる。俺もごくささやかな共感覚があるので、身につまされた。バス事故の話もまた悪くないよねー。一人の女に執着しまくるのが童貞臭くてしんどいけど。ふられたら次行けばええやん。
時計の話は濃くてアイディアも秀逸で並行世界なんすか!?的なちよっとしたスパイスも効いていて退屈しなかったけどいかんせん冒頭がなー手が生えてるとか飛びたいとか知らんがなって感じ。 -
表題作と最後の「幻のクロノメーター」が良かった。ただ、短編なので人物の掘り下げや話の膨らみが少し物足りない気がするけど、そのあたりは好みの問題かな。
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the novel linking another his. his fantasy word stay difficult a little bit. he has a gloomy personality? i have been deep reading, cos' feel fun?