青い星まで飛んでいけ [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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  • 「都市彗星のサエ」、「グラスハートが割れないように」、「静寂に満ちていく潮」、「占職術師の希望」、「守るべき肌」、「青い星まで飛んでいけ」の6篇収録。この中でイチオシは「占職術師の希望」かな。「静寂に満ちていく潮」もファーストコンタクトの様子が秀逸だった。

    「都市彗星のサエ」
    氷採掘事業で潤う都市水星パラマンディは、宇宙船の通わず孤立した、狭くて退屈な星。脱出願望の強いはみ出しも者の少女サエは、ジョーディと組んで密かに脱出ポッドを作製する。

    「グラスハートが割れないように」
    臨家に住む恋人、時果が怪しげな健康食品 "グラスハート"にハマった。「アフリカ南部の鉱山で発見された、ハーティ・リッチェンという種類の、特殊な地衣類の菌株が封入」されていて、祈りの力で自然に増えるのだという。栄養失調で倒れる時果。

    「静寂に満ちていく潮」
    「肌感覚だけでなく、肉体の深部感覚や感情まで拾い上げて、デジタル信号として交換しあう」新しい次元の性行為 "感交"。黒いオケラのような異星人とのファーストコンタクトが消化不良のテミスは、ついに異星人との感交を試みる。さてそのお味は?

    「占職術師の希望」
    クライアントに天職を告げることを生業とする "占職術師" 紺野哨平。「おれには、彼らの実際の姿に、別の姿をした分身が重なっているのが、ピントの合わないカメラのようにぼんやりと見え」る。哨平はその力で犯行直前のテロリストを見つけまい…。

    「守るべき肌」
    電子空間に大転算して不老不死を手に入れた人類は、不朽都市(ステインレス)で思い思いにマップを仮構して暮らしていた。そこに突如現れた少女ツルギは、住人たちを人類を救うための戦いに駆り立てる。

    「青い星まで飛んでいけ」
    地球人間の末裔を自認する巨大人工知能エクスは、自らを進化させつつひたすら地球外知性を探索し接触を試みる旅を続けて数十万年。「五種の知性と融合を試みた結果の、六代目として、今のエクスがあった」。

  • ちょっと自分には合わなかった

  • 青い星まで飛んでいけ

  • ううん、凡作にしか思えない。

  • 短編が進むつれ、人類の変化がより高度な状態に変化していく。
    異なる惑星での低重力下での生活
    物質から解放され情報による総体となった人間
    複数の機械からなる船団で形成される1つの意思。
    「青い星まで飛んでいけ」では既に人類はハードとソフトという概念で構成される機械になっている。一方でその機械が、ある意味でまだ人間足りえていないという事。
    未来の人類の1つの在り方だが、今の人類の感覚からすると何か足りてない。1つの生命体として考えるなら、現代の人より遥かに高度であるのに。
    環境が宇宙に代わり、肉体が情報や機械になっても、人間らしさを得るにはそれだけでは駄目なのだと感じさせられる。その欠落を満たすことを、人生で求められている、小説でそれ等を代替する必要性からもそのように感じる。

    都市惑星のサエではジョージィが、守るべき肌では情報化したステインレスの住人が、青い星まで飛んでいけではエクスが、人間として何か足りてない存在として描写されている。

    それでいて自分達も同じように足りていない事を考えると、その欠落は時代を問わず求められる物であり、

  • SF短編集。
    表題作の『青い星まで飛んでいけ』が一番面白かった。下位機械たちのやり取りが楽しそう。時間感覚が狂いそうになるけど。

  • 少しずつSFを読むことを覚えたので、ここらで一つ日本のものもと思い、タイトルで買ってみたのだけど、のりの軽さにとてもついていけなかった。この人の本ってみんなこんな感じなのかしら。こういう言葉遣いの本って読んだことなくて、驚愕した。前半頑張ったけど、どんどん耐えられなくなって、途中はパラ見。要は合わなかったんだろう。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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