- Amazon.co.jp ・電子書籍 (405ページ)
感想・レビュー・書評
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「廃園の天使Ⅰ グラン・ヴァカンス」(飛 浩隆)を読んだ。
物語がどこに向かっていくのかわからないまま、飛氏が繰り出すその目眩く弾け飛んだイメージの奔流に、もうありったけの想像力でもって立ち向かうが、もみくちゃに振り回されるハードな体験。
登場人物達が受けとめる激痛を想うと心が竦む。 -
紙の厚みがない電子版で読むにふさわしい、多重化された話。ファンタジーのようなビジュアルの皮一枚下にグリッドを忍ばせ、幾重にも繰り返し織り込まれる暴力、拡大縮小自在の電子端末の特性にしっくりくる。
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電脳空間とAIの世界でのパニックホラーみたいな話。
好きな世界観に好きな展開で面白かった。
全然悪くなかったけど、もっともっと世界観を活用したギミックが欲しかったかな -
一番好きな作品で、一番続きを待っているシリーズで、一番終わってほしくないシリーズ。
とにかく文章が美しく、情景、描かれるもの、雰囲気、すべてがSFという垣根を超えてただよいものだと思わせてくれる。
人に配り歩きたい。 -
切なさも感じるストーリー。こんな世界が今後出来上がるのだろうか(残されるのだろうか)?考えてみれば、現代のデジタルの世界(サイバースペース)には、過去の人間たちの残渣がたっぷりと残っているわけで、動画だって半永久的に漂っているわけで。。。そう考えると複雑です。
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続きが読みたい!!
世界が崩壊していく話なのだけども、それが壮大なストーリーの枝葉にすぎないとは! -
著者が後書きで述べている「清新であること、残酷であること、美しくあること」
まさに、これに尽きる。
美しい世界が残酷に破壊され、そこに残るは清新さ。
ひとつの世界の終わり。
だが、これは物語の序章だ。
これほど続きが待ち遠しい作品はなかなかない。
仮想世界とAI。
語り尽くされたモチーフだが、二十年たっても、まだ、新しい。
この先もしばらくは色褪せることはないだろう。
忘れ去られた仮想世界とそこに生きるAIは、読まれなくなった物語とその中の登場人物を想起させる。
アリス。ドロシー。スーザン。モモ。
彼女たちは今でも元気にしてるだろうか。
今のぼくに彼女たちに再会するための想像力が残っているだろうか。