図書館の神様 (ちくま文庫) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (119ページ)

感想・レビュー・書評

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  • しみじみいい本。
    清も垣内君も本当は深く傷ついているのに、作者の傷の扱い方が大袈裟でなくていい。傷が静かにそこにあって、少しずつ癒されていくという感じがよかった。
    世界との繋がり方、正しいとは何か、本の素晴らしさ等テーマがとても深い。青春ぽいけれど、ただの青春小説ではない。垣内君が素敵。

  • 清は高校の国語講師をしている。部員が一人しかいない文芸部の顧問に就任した。と言っても希望した訳ではない。国語科の教師だからということのようだ。文学など読んだことの無い教師が顧問だ。部員は垣内君一人。スポーツ向きの体をした垣内君だが、なぜか文芸部に所属する。そして毎日図書館で部活動をする。部活動といってもいつもひとりで本を読むのだが。清は顧問であるので、一応垣内君の側に座る。そしてこの高校での一年が始まった。

  • 文体や全体としての雰囲気は爽やかで読後感もすっきりする。
    ただ、子供が産まれるというときに不倫しているのが、ちょっとこのタイトルから想像していなかった要素だったので、うーーん。

    真面目で視野が狭すぎな厳しい人物だった昔の主人公との対比のためか、あえて鼻につくような言動がある。一方、垣内くんはとても魅力的なキャラクターで、そう、魅力的に描きすぎてちょっと出来すぎというか……だからこそ図書館の神様なんだけど。
    垣内くんが妙に大人びているだけだったら引っかからないんですけど、不倫相手に垣内くん、それに弟、あと熱血教師もそうで、主人公の成長にとって都合にいい男ばかりで。不倫相手は昔の主人公のダメだったところと似通った欠点を態々もっていたために、主人公とのふれあいや他の要素で何か心境の変化があるかと期待していたら何もなく。
    内面の変化の描写がほぼ主人公しかなかったのが少々残念。もっと多重的に成長が描かれると思っていた。
    ただ、主人公はふとこぼす、これは家庭で食べる味、一緒に生活している人がつくれない料理、など、物事の核をつくようなセリフも多々で面白かったです。
    最後の手紙のシーンはじんわりきました。

  • 垣内君がとにかくえらい。拓実君もえらい。

  • 読んでいてバレー部での青春時代を思い出した。読んでいて『夢十夜』をもう一度よみたくなって読んだ。

    「失敗が少なくて、手が込んで見えればいいのだ」。これは女性が男性に作る料理の真髄(コツ)。

    「サンドイッチなんていうものは朝食にしか食べないものだと思っていた」ところが、不倫相手は奥さんと夕食にサンドイッチを食うらしいことに驚く様子もいい。

    海のない町に育った主人公の姉と弟だが、弟は姉の住む町で知らない人の漁船に乗せてもらう。「知らない人の舟になんか乗るんじゃない」という姉に「知らない人の車に乗っちゃダメだっていうのは聞いたことあるけど、舟は知らなかった」。

    不倫相手と喧嘩するきっかけは漱石の『夢十夜』。そのことを弟に話すと「もっと詳しく」と言われる。「実は」と不倫相手のことを話そうとすると「そうじゃなくて漱石のことだよ!」と主張する弟。

    最後の「出会いと別れ」や「青年の主張」はずいぶんとむず痒くなる内容だったけれど、全編を紡ぐ言葉を楽しむことのできる小説だった。

  • 初めての瀬尾まいこ。
    初めてのkindle読み。軽く読めるものには向いていると思う、電子版。
    すいっと読めて、主人公が解放されて行くことにホッとする。
    知っている人の書く文章は心に沁みるというところにハッとし、納得。

    二話目のも面白かったよ。
    また読めそうだ、瀬尾まいこ。

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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