遠い朝の本たち (ちくま文庫) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 自身が幼い頃、若い頃に読んだ本と、その読書体験について綴った須賀さんのエッセイをkindleで読了。須賀さんの本は、やさぐれた時や心が荒れた時の即効薬として常に本棚に置いている。今回は特に荒れていたわけではないけれど、少しごぶさたしていたので手に取った。
    幼い頃から妹や友人と一緒に本を読み、それについて語り合ったり、夢を見たり、本の舞台となった場所に出かけてみたり。荒れた心を静かに癒す文章の書き手は、こうして出来上がっていったんだなと腑に落ちる。
    そして驚くのは、著者の回想力。小学生の時に読んだ本の話なのに、まるで昨日読んだかのように綴っている。書いている本人も、小学生の時と同じように瞳をキラキラさせながら書いていたにちがいない。
    そんなことを想像すると、こちらの気持ちまで澄んでくる。須賀マジック。

  • 最近、ポツリポツリと読んでいる須賀敦子。今回は本に関するエッセイ。書評とか、特定の本に関して書かれたものではなく(もちろん、はっきりとタイトルの判る本が描かれることも多いが)、子供の頃の読書体験や記憶を綴って、戦時下における読書少女達の思い出や、その思いがけぬフラッシュバックを描く。静謐な筆致と過去の思い出をいきいきと語る口調はいつも通りだが、個人的にはイタリアものの方が好みかな。

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著者プロフィール

1929年兵庫県生まれ。著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。1998年没。

「2010年 『須賀敦子全集【文庫版 全8巻】セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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