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感想・レビュー・書評
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不思議でもあり奇妙でもある得体の知れない世界が展開する作品9編。読めば読むほどどんどん深みにはまっていくようで恐怖さえ覚えるのになぜか頁をめくるのを止められない。読後はしばし茫然自失。と共に、正常とは?、普通とは?なんて考えてしまった。
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文庫は大抵流し読みして 読んだな と思ってから内容を思い出せないものがほとんどだった(だからこそブクログを入れたのだ)が、この本は本当に良い。
エレベーターボーイのイービーの話がすごく好きだ。
主人公が全てを賭してイービーに尽くす様が見ていて胸を締め付けられるし、そんなふうに他人のために尽くしたことなんか別にないのに自分にも確かにそんな事があったかのように切なくなる。
あと「教授宅の留守番」はどの本に収録されてたっけな?と思っていたんだけど、これか…
これは感動というよりも奇妙で不穏でうわぁやっぱりねというかんじのタネのあるお話なんだけど、それは割とどうでも良い。とある教授宅に受賞を祝う食べ物やお祝いのお花がどんどん届けられているが教授は不在。なので女ふたりが吐きそうになりながら差し入れられた食べ物をとにかく片っ端から食らって、届いたデカい花をその辺に適当に置いてジャングルみたいになる部屋の気持ち悪さが凄い。短い話でこんなに読後感がしっかりある小説すごいなと思う。
はーー、これは思い出したかった小説だったからブクログやってて良かったな。 -
小川洋子らしさが詰まった短編集