夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 不思議でもあり奇妙でもある得体の知れない世界が展開する作品9編。読めば読むほどどんどん深みにはまっていくようで恐怖さえ覚えるのになぜか頁をめくるのを止められない。読後はしばし茫然自失。と共に、正常とは?、普通とは?なんて考えてしまった。

  • 文庫は大抵流し読みして 読んだな と思ってから内容を思い出せないものがほとんどだった(だからこそブクログを入れたのだ)が、この本は本当に良い。

    エレベーターボーイのイービーの話がすごく好きだ。
    主人公が全てを賭してイービーに尽くす様が見ていて胸を締め付けられるし、そんなふうに他人のために尽くしたことなんか別にないのに自分にも確かにそんな事があったかのように切なくなる。

    あと「教授宅の留守番」はどの本に収録されてたっけな?と思っていたんだけど、これか…
    これは感動というよりも奇妙で不穏でうわぁやっぱりねというかんじのタネのあるお話なんだけど、それは割とどうでも良い。とある教授宅に受賞を祝う食べ物やお祝いのお花がどんどん届けられているが教授は不在。なので女ふたりが吐きそうになりながら差し入れられた食べ物をとにかく片っ端から食らって、届いたデカい花をその辺に適当に置いてジャングルみたいになる部屋の気持ち悪さが凄い。短い話でこんなに読後感がしっかりある小説すごいなと思う。
    はーー、これは思い出したかった小説だったからブクログやってて良かったな。

  • 小川洋子らしさが詰まった短編集

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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