新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ハゲタカ2はつまらないが、1は面白い。骨太で濃厚な小説

  • 「神の国は、汝らの中にあり」
    「名誉の巌の上に建てられ、名誉によって守られてきた国家は、今は屁理屈の武器でもって武装した三百代言の法律家や、饒舌の政治家の手に落ちようとしている」
    「真に勇敢な人は、常に沈着であって、決して驚かず、何者によってもその精神の平静さを乱さない」

     舞台は1990年代後半、バブル経済崩壊後の不良債権処理で青息吐息だった日本。上巻はプロローグと第一部、第二部で構成されており、各部の冒頭には、新渡戸稲造の「武士道」を引用し、物語を進めている。

     物語の中心は三陽銀行の不良債権の処理問題、それを取り巻くハゲタカファンド、ホライゾンキャピタルとの駆け引きとそれぞれの社員たちの人間模様である。さらに日本型の経営で問題を抱えた中禅寺ミカドホテルの松平一家のエピソードを並行して描いている。

     特に第一部では1990年代の日本の銀行、企業経営者たちの問題点を書ききり、「名誉の・・・・」の引用に沿った展開がなされている。特に、日本での学歴や勤務経験しかない登場人物を、“ぬるま湯国家・ニッポン”の代表として、ほぼ全員をここに落とし込んでる。

     一方、社長の鷲津をはじめとしたホライゾンキャピタル関係者たちや、三陽銀行の芝野、中禅寺ミカドホテル松平一家の娘、松平貴子など、外国人や外国生活経験者は、そんなぬるま湯日本しか知らない人たちに対して、真っ向から闘う。しかし、彼らも迷いがあったり、ビジネスライクな対応をしているように見えたり、「神の国は・・・」「真に勇敢は人は・・・」を体現している登場人物は見いだせない。

     唯一“武士道を体現した人”と言えるのは、松平貴子の祖父。中禅寺ミカドホテルを1代で立ち上げた人物である。

    「フライフィッシングは、テクニックで釣るんじゃない。釣り人の心だ。心が乱れている時は、どんなにテクニックを駆使しても、魚の目には死んだ虫にしか見えない」
    「一日の最初に、神様のお恵みをいただく、これが至福」

     バブル狂乱で骨抜きになってしまった武士道の国。果たして、再生できるのだろうか?鷲津、芝野、松平貴子、外国人たち。このうち武士道精神を体現する人物はどれほどいるのだろうか?

  • 勧められて。
    おもしろいけど難しい…!正直よく理解できないまま進めてしまってるところもある。その辺りがもっとわかればより楽しめるのだろうなあ

    鷲津には不思議な魅力を感じるし、リンみたいにかっこよく仕事できたらなあとおもう。などという頭の悪い感想しか書けない。

  • 2019.3.30読了。

  • 「またつまらぬ物を買ってしまった」

  • 不死鳥は自分で灰の中から生まれ飛び立つのであって、それは渡り鳥でもなければ、他の鳥の翼を借りて飛ぶのでもない、ということを忘れてはならない。

    「戦いに臨んで討ち死にすることは、難しいことではない。それはどのような野人でもできることである。しかし、生きるべき時に生き、死ぬべき時に死ぬことこそ、真の勇気なのである」

    真に勇敢な人は、 常に沈着であって、決して驚かず、 何者によってもその精神の平静さを乱さない

    ビジネスで失敗する最大の原因は、人だ。味方には、その人がこの戦いの主役だと思わせ、敵には、こんな相手と戦って自分は何て不幸なんだと思わせることだ。そして、牙や爪は絶対に見せない。そこまで細心の注意を払っても、時として人の気まぐれや変心、あるいはハプニングのせいで、不測の事態が起きるんだ。だから結果を焦るな。そして馴れ合うな

  • 不良債権、企業再生が題材。
    物語の二軸展開や話の流れなどは一般的。
    金融関連の話もわかりやすく自然に解説。
    ドラマ的な話の展開が飽きない。
    おもしろい。
    ちょっと登場人物にできる人が多いかな。

  • 外資系投資ファンドの日本代表を務める主人公が様々な案件を手掛ける話。用意周到に商談に臨む主人公はかっこいい。仕事において情報が大事であること、情報を得るために民間調査会社や高級料亭の債権取得を行うというのが印象的だった。

  • 彼らは、目の前にいるポールのように、顔をひっぱたかれても顎を蹴り上げられても、執拗に戻ってきて、「なあ、もう一セント負けてくれないか」と粘る商法が商売の基本だった。

    「既に、大蔵省に報告済みですし」「そんなもん、頭下げたらしまいやろ。何のために普段、高い金使うて練習を接待してますねん。

  • 企業の倒産と再生に動く金のでかさってすごいんだけど、それを操る人間がいるのがまたすごい。上巻はこのシリーズの入口なのでひたすら読めばいいだけ。

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著者プロフィール

真山仁(まやま じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。これが代表作となり、ドラマ・映画化された。
「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。

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