- Amazon.co.jp ・電子書籍 (398ページ)
感想・レビュー・書評
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途中何度かぶん投げたくなったけど最後まで読んでしまえば傑作でした。長いですが、それなりに納得できそうな推理が作中何度も覆される快感で読める。ただ「それなりに納得できる推理」がかなりお粗末というか、そんなんねーーーよ!!って話を探偵が堂々とやるので困る。
あと探偵のスペックが状況に左右されすぎていて、作者が都合のいいようにコントロールしている様子が透けて見える。
事件の「悪趣味な芸術」らしさがそこまで感じられなかったのは叙述の問題かな。木更津、メルカトルという名探偵たちが苦戦する舞台としてはいささか表面的な部分がしょぼい。
まあでも面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年ぶりの再読。ラストの香月くんのことしか覚えてなかった。こんなに好きな要素モリモリなのに!当時の自分にとってよほど衝撃的なラストだったんだろうな…
あと、メルカトル鮎も木更津悠也もこれっきりじゃないの凄い! -
これがデビュー作か・・・
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まさにカオス。登場人物一覧で探偵の他に名探偵と銘打たれたメルカトル鮎がいることで「ああ、本格ミステリに一捻り加えたものなのね」と思い、読み始めると序盤はコテコテの本格ミステリ。途中語り手のよく分からない言動に首を傾げつつもメルカトルの登場に期待する。そして絵に描いたような奇人の名探偵メルカトルが登場し、そこまで意外ではないが説得力のある真相を披露して終わりかと思いきやこの辺りからだんだんと明らかになる事実で物語全体の現実感がなくなってくる。そして奇妙な心地のまま真相が明らかになったかと思いきや急に横から冷や水を浴びせられるのである。
いかに我々は名探偵を信仰し、側から見れば夢物語のような突拍子もない論理をありがたがってしまうのか。そもそもミステリにおける論理の優位性は揺るぎないものなのか。細かい矛盾とか文章表現のフェア・アンフェア、犯行の実現可能性などがどうでもよくなってしまうアンチミステリ。今まで味わったことのない感覚だった。
これがデビュー作だとははじめは驚くがよくよく考えると納得。反抗心で溢れている。 -
途中で何度も挫折しかかったけど、なんとか最後まで
詰め込み過ぎ
ポキポキした感じの文章でイメージをふくらませるのが難しかった -
15年前に読んだきりなので、面白かったのは覚えていても、さすがに内容の9割は忘れ去っていた。しかし、あの驚愕のラストを綺麗に忘れてる私って…。昔も今も自分が、バカミスすれすれ、アンチミステリとも言われる本書を好きだと思える感性の持ち主で嬉しい。