エンダーのゲーム〔新訳版〕(下) [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • エンダーの試練がひたすら続く。仲間たちも集いながらも、厳しい訓練に脱落者も。「それにしても、戦いはいつ始まるんだ、長いシリーズらしいから、2作目以降に戦争なのか?」と思いきや、驚きの展開。この小説が1970年代に誕生していたとはなぁ。。
    とはいえ、終盤はなんか深いことを書いてあるような雰囲気だけど、登場人物の感情遷移含めて相変わらずよくわからない。これって訳の問題以前に文化の違い? 時代の違い? 日本語の小説とほとんど違和感のない翻訳小説も珍しくない中で、最後まで違和感がついて回ったのは少し残念。

  • ★★★★☆

    上巻を読み終わった時に思ったのは、きっと下巻ではエンダーは大人たちのゲームから逸脱していくに違いない、ということだった。

    結果としてそれは裏切られた。

    良い方に裏切られた、とは言い切れない部分もある。

    敵であるハガーとの大戦争によるスペクタクルを期待していた点においては肩透かしだったと思うが、少年エンダーの成長を描いた物語としては非常に深いものがあったし、満足した。

    よく考えてみたら上巻から一貫してこれは少年エンダーの個人的な成長を描く、こじんまりした物語だったのだ。

    下巻では、エンダーの反抗期から思春期、そして大人へという成長の過程をすごく丁寧に描いている。

    反抗期というのは大人への幻滅。

    思春期とは内なる自己への抗い。

    そして大人になるとは、自分も、かつて幻滅した自分以外の全ての大人たちと同じちっぽけな個人に過ぎないと気付くこと。

    広大な宇宙の前では人類も宿敵ハガーも大差ない、ちっぽけな存在でしかない。

    兄弟なのにわかり合えないこともあれば、別の星の生き物なのにわかり合えることもある。

    それは生者か死者かという壁さえも超越する。

  • 異星人に対抗するため子供達にエリート教育を施す話。
    エンダーという天才を育てるために他は利用するのは実際ありそう。
    ただ子供である必要はなかったと思う。

  • どこまでも鍛え抜かれ追い込まれるエンダー。
    しかし、その逆境をはねのけて戦争は最終局面へ。
    共感できる力があるが故の不幸。そしてそれ以上に優しい気持ちを持っているエンダーの強さに惹かれた。

  • ①天才戦略家エンダーは軍が休みなく強制してくる無茶な課題をすべてクリアして、ついにバガーの母星を舞台にした最終決戦に臨もうとする。一方遠く離れた地球では、あと二人の強烈な天才、すなわちエンダーの酷薄な兄ピーター、慈愛あふれる姉ヴァレンタインが、政治的なインフルエンサーとしてネット界に君臨、最終的に世界の覇権に手を伸ばそうとする。
    本書の最大の魅力がなんといっても、この三人のガキどもの超天才ぶり。よくある、「お話の都合上ハナから設定されたキャッチコピーだけの天才少年」などではなく、こいつらの日常会話を聞いているだけで、末恐ろしくなるほどの神童・・・いや、すでに立派な怪物たちだ。ここで作者は単にこいつらを年齢不相応に大人びて描いているだけでは決してない。あくまで彼らは子供という、発展途上の一個の人間であり、そんな人間特有の葛藤・不安・ストレスを抱えていた上での天才として描かれている。この点、彼らの言動に非常に説得力があって、読みごたえもあるのだ。
    ②最終決戦においてエンダーはバガーの母星を破壊、バガーを絶滅させる。エンダーの軍人としての役目はこれで終わり、エンダーはバガーの星系を巡る長い旅に出る。そんな最中、立ち寄ったひとつの惑星で彼はバガーがエンダー本人宛てに残したあるものを発見する。エンダーはそれを受け取ることで物語は、次の大いなる展開を予感させて終わる。
    地球人が仇敵のエイリアンを打ち破るというSFなどいくらでもあるが、打ち破った本人が「死者の代弁者」として自分の余生をエイリアン再生に捧げようというこのアイデアは秀逸。このガキ、やはり我々の想像のはるか上を行ってしまっている。

  • 主人公が目の前のことから貪欲に学ぶ姿勢がすばらしい。自分の立ち位置をメタに認識して状況や大人を批判しながらも、できることを行動にうつす。小学生のときに読みたかったな。主人公が天才で何でも乗り越えていく点は大人には物足りないと思う。FBのザッカーバーグも愛読する。

  • どことなく物悲しい話だったな。
    これって戦争なのよね。と言う感じで。

  • 長いこと重版待ちで、新訳版が出てKindle化もされてやっと読むことができて満足です。

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