グランド・ブルテーシュ奇譚 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 短編集で読みやすい。寝る前に読むとキリもよく時間を知らせてくれる。
    バルザックは「ゴリオ爺さん」しか読んだことがないが、今も昔も変わらない人間の核のようなものが描かれていて、登場人物や設定を少し変えるだけで今でも通用しそうな物語で共感しやすい。
    とは言え、ヨーロッパ物は貴族社会とかそういうのを何となく知っているのが前提だけど。
    四つの物語(他一つは物語ではない)のなかで一番印象に残ったのは、やはり表題作か。恐いという意味で。「ことづて」は愛や人情もそうなんだけど、最後の亭主の反応がどうにも日本人(いや現代人?)には理解できなくてもやっとする。
    漫画一巻読むぐらいの気持ちで一つづつ読めば良いと思う。

  • 精緻な観察眼には感心するが短編にしてはやや冗長.長編であればこの分量の蛇足らしい描写も光りそうではある.ややとっちらかった印象を受け,作者本人はADHD気質で会話下手そうだなと勝手に思う.
    グランドブルテーシュ奇譚やファチーノ・カーネは後半にかけて比較的まとまり良好で読みやすい.

  • 「グランド・ブルテーシュ奇譚」(バルザック : 宮下志朗 訳)を読んだ。短編集。
    63にもなって恥ずかしながら初バルザックである。
    表題作「グランド・ブルテーシュ奇譚」はしっかりと面白いですが、とにかく混乱してしまうのが「マダム・フィルミアーニ」だな。
    今度は「ゴリオ爺さん」読まねば。

  • 若かりし頃にフランス文学に凝ったことがあり、モーパッサン、ゾラ、スタンダールなどかなり読んだ。プルーストすら(途中で挫折したが)ひも解いたが、何故かバルザックだけは避けて通っていた。難しいという先入観があったからだ。それならなんでプルーストなんだって話なのだが、若気の至りである。
    本書は3つの短編と1つの評論からなるが、短編はどれも機転が効いていて面白かった。評論もなかなかのもの。ピケティがバルザックを引き合いに出すのがよくわかった。

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著者プロフィール

オノレ・ド・バルザック
1799-1850年。フランスの小説家。『幻滅』、『ゴリオ爺さん』、『谷間の百合』ほか91篇から成る「人間喜劇」を執筆。ジャーナリストとしても活動した。

「2014年 『ジャーナリストの生理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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