ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ヘンリー卿の皮肉の効いた適当な発言が、いちいち面白かった。ただ、彼のようなタイプと会話するのはだいぶ骨が折れそうだ。

  • 美しい青年自身の代わりに、青年の肖像画が歳を取り精神の堕落も背負い醜くなっていく。ただそれだけの話といえばそれだけの話なんだけど面白い。最後の幕切れも鮮やか。好き。
    しかし、自分の中で映画「リーグ・オブ・レジェンド」の印象が強すぎぃ…

  • イギリスの古典。
    初めて読むタイプ?だが、思ったよりは読みやすい。

  •  前に読んだ哲学系の本の中に出てきたおすすめの一冊でリストにあったので読んでみた。あらすじも知らず。
     浮かび上がる情景は華々しくて豪華で美しい…耽美な世界。そして誰もが目を奪われる美しい青年、ドリアン・グレイ。いつも読んでいる本と全然違う感じでとまどったけど、イギリス上流階級の生活、ウィットに富んだ会話に惹きつけられた!めんどくさいイギリス人な感じ!!
     ドリアンの美しさを全身全霊を傾けて肖像画にしたバジル。そしてドリアンに「君は自由に生きるべきだと」新たな生き方に目覚めさせる言葉を投げかけるヘンリー。
     長編だけどテンポがよくてどんどん「事件」が起きていく。
     ストーリーはネタバレしないように。
     結局このお話は、仏教的な「生老病死」、具体的には「病」はないけれどそういうことを自分につきつけてくる物語だ。ドリアンという青年を通して自分の中にある「生老病死」を考えさせられる。ドリアンの美しく残酷な心情吐露を通して、「自分の中にもそれがある」ということをなぞられているようでぞくぞくするのだ。ひりひりするのだ。そして逃れられない「自分」、煩悩。
     著者のオスカー・ワイルドは当時同性愛の罪で身を持ち崩す。直接的ではないが、この小説の中にはどこか同性愛の関係性があることを感じないでもない。そういうことも読み手が感じたままに受け取ればいいのかと思う。
     ネタバレしないようにキーワードでいうとこの「絵」と書かれた人間の関係性については、この間読んだ『三体Ⅲ』にも出てきたモチーフであり、元ネタはこれかも!と思ってしまった。

     ひそかにこの光文社古典新訳文庫はすごいのではないかと思っている。いくつか読んだけど、今のわたしが読みやすい。変に古めかしい表現じゃないので。こういうので古典文学を読み直す人が増えるのはいいことだと思う。

  • 映画『リーグ・オブ・レジェンド』の主要キャラの中でドリアン・グレイだけ原作をちゃんと読んでなかったので、読んでみた。

    『世にも奇妙な物語』とか藤子・F・不二雄のSF短編とかに有りそうな話。と言うか、たぶんこの作品にインスパイアされたような作品って有るだろうな。

    原文に対する訳の正確さは分からないけど、読みづらさは感じなかった。

    こういう作品をたまに読んでると、ちょっと教養のある印象を与えられるかも。という『バーナード嬢曰く。』的な動機で読んだのは内緒。

  • 「聞いたことはあるけど読んだことがない本を読もう週間」の一貫として読んだが、大当たり!新訳ということもあり、現代でも瑞々しさが伝わる文章に散りばめられた名言の数々。どこか現実から離れている美しい世界の中で、突然現れる生々しい描写。文学に浸りたいときにお勧めしたい一冊。

  • その時、その時を生き、反省なしのドリアン。こういう話は、暴力的で粗野な人物像になりがちだが、高貴で美しい青年で描いているところが実験的だ。著者が同性愛者だったことや、時代の背景など、解説を読んでから本文に入った方が退屈しないだろう。格言の宝庫だが、だんだん格言に酔ってくるような胸焼け感があった。

  • 天性の美を持って生まれたドリアン・グレイにとって老いは恐怖でしかなく、その恐怖に打ち勝つための教養や美以外を見てくれる人との付き合いに対する努力の仕方を知らなかったのかなぁ。中学時代、同じとてもかわいい親友と一緒に通っていた塾で、先生に「君は勉強で頑張ろう!」と言われたことを思い出す。傷つくというより「そうね!」と思ったけど、化粧もあるし顔も変わると気付いた20代。振り返れば「老い=努力した時間」と考えられるようになっていた。美のもつ怖さを感じた一冊。

  • やっぱりドリアン・グレイはおもしろい。

  • 観劇予習。かなりおもしろく読めた!新訳の力!
    こじらせておまんなーっ(雑)
    スタートが純真だから成り立つのだけど、最初に触れた「ワル」がたちワルすぎた結果……

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