こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です impress QuickBooks [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • まずよかったのは、擬態うつ(適応障害)とうつ病の違いがわかったこと。
    擬態うつは、ストレスにさらされたことによるうつ状態のことで、ストレス源から離れれば元気になる。ゆえに趣味などは楽しめる。
    うつ病は、脳の病気であって生活全体においてゾンビ状態になる。投薬治療が有効。
    この本に「誤解を招く」と口角泡を飛ばしている人がいる。まぁ分からんくもない。「擬態」って言われてるし「甘え」って言われてるし。適応障害の当事者にとってはカチンと来るだろう。痛いところを突かれて傷つくのもわかる。
    でも、言葉をどう変えようが事実は変わらんのですよ。
    精神病院やメンタルクリニックに行ったことある人なら、ゾンビみたいに動けず介助されてる人から、苦悩の表情で診察を待ってる人、バッチリおしゃれしてる人まで、いろいろ見たことがあると思う。症状の程度の差では説明できない違いを感じてるはず。
    適応障害にうつの薬を処方したってしょうがない。適応障害には適応障害の治療を。うつ病にはうつ病の治療を。それだけ。
    どちらが辛いとかそういう話じゃない。違う病気ってこと。

    それはそうと、読みものとしてもこの本は面白い。
    彼女の態度が冷たく精神障害かもしれないという相談に対して「あなたは単にふられつつあるのではないでしょうか」は名言すぎる。
    他にも恋愛系の相談は、質問者の長文に対してたったの一文でバッサリ切り捨ててたりして楽しい。
    悩んでる人ごめん。でも笑っちゃったww

  • 「林先生案件」で有名な精神科医・林公一氏の精神科Q&Aはすべてネットで読むことができる。だが件数が多い!そんな時にこれ。もちろん例の「まさかとは思いま すが~」も収録。統合失調症にはこんな風に世界が見えているのかと圧倒され、林先生の容赦のない一刀両断ぶりに惚れ惚れします。

  • ついつい面白くて、読んでしまった。私の周りにははっきりとわかる症状が出ている人はいないのだけれども、0.8%は統合失調症を発症するということで、実は身近な話なのだと思う。100人規模の組織はたくさんありますし。

    最初に面白いと書きましたが、興味本位で読むこともよいかと思います。その点についてのみ引用しておきます。

    林: 興味本位は無関心に優ります。私のサイトも出版物も、根底にはその考え方があります。興味本位で読んでいる人が少なからずいらっしゃることは十分に承知しています。興味本位は無関心に優ります。

  • うつ、統合失調症などの症状を知っておくことは、自分のメンタル管理に必要な知識だと思った。

  • 【感想】 精神科Q&Aのサイトのうち、厳選された投稿と診断を抜粋したもの。元のサイトを拝見したことがなかったが、切れ味のよい回答や長文の回答など様々でありながら、どれも読み物としてとても面白かった。ある時期に、統合失調症の方の近くで働いていたことがあるだけに、一部他人事でない話もあった。シリーズ化してまた出してほしいと思う。

  •  ウェブ上で精神科医が質問を受け付ける<a href="http://kokoro.squares.net" target="_blank">「Dr林のこころと脳の相談室 精神科Q&A」</a>に寄せられたメールとその回答の中から、秀逸?なものを集めた名作選。副題として「“こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です」とある。

     患者自身からのメールもあれば、家族や上司からのものもある。回答もすぐ病院へ行けという深刻なものから、甘ったれんなという厳しい物まで色々だ。また、アドバイスを受けて対応した後日談的なものもある。こういう内容で「名作」と言うのもどうかと思うが、充実した中身だと思う。

     最近登場した「新型うつ」という名称は著者が「擬態うつ」と名付けたものが少し歪んで広まったもののようで、要するにうつ病のようでいてうつ病ではない(単なる甘え)のことだ。しかしそのような人の存在が語られるようになった結果、本物のうつ病患者が自分はただの甘えではないかと思ってしまうパターンもあるようで、こころの病気はとかく一般化が難しい。

  • 症状は目に見えるものとして発症するものの目に見えない触れることも出来ない精神。そんな精神を罹患した方との距離を取ることへの難しさを感じさせるが、この本はあくまでも相談者に対して事実は事実として述べ、決して曖昧にせず論理的に導き出される解いは、端的で痛快であり、時には含蓄を含んだ人の不思議さであったりと、ただの精神病の問答で収まらずエンターテイメント的な読み物としても読めてしまう面白さもある。
    興味本位だけで覗くのは…と抵抗のある方に言うと著書にも書いてある通り「興味本位は無関心に勝ります」である。
    知らない勇気より知る勇気を。

  • ・3/26 読了.それにしてもいろんな病状の人がいるもんで、なかなか対応に苦慮されるのが想像できる.本人に悪気があるわけじゃないところが厄介だ.症状を抑えたり治療することはできるだろうけど、この手の病気に予防策がないのはこれからの医学に期待したいところだ.

  • 面白いんだけど段々気が滅入ってきてついに悪夢を見たので放置中…

  • 精神疾患怖い

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