大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス) [Kindle]

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  • テレビなどで超ひも理論(Super String Theory)という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれない。
    これは物理学の理論の一つであるが、全ての物理的な現象を記述できる方法を提示してくれる理論として有力と考えられている。

    物理学と聞くとNewtonやEinsteinなんかを思い浮かべる。両者は力学というこれも物理学の理論の一つでありが、この力学の構築に多大な貢献を残した。
    力学はなんてことはない、ものを手で動かすと動きます。という現象を数学的に記述した理論である。押す力が強ければ強いほど、押された方は速く動く。
    りんごは木から地面に落ちるのだ。決して空に向かって落ちる(?)ことはない。
    これは地球がりんごを引っ張っているからなのだ。


    一方で、日常生活で使用している物理的な現象がもう一つある。
    それは電気である。これは物理学で少し仰々しく電磁気学と呼ばれている。
    携帯電話を充電できるのもこの理論のおかげである。
    電気は2つの電気(プラスとマイナス)が互いに引っ張り合い、同じ電気同士だと離れる方向に力が働く。この力を数学的に記述したのが電磁気学である。ちなみに電磁気学といえばMaxwellという物理学者が有名である。


    実は自然界にはもう2つほど力が存在する。
    これは日常生活であまり経験はしないのだが、強い力と弱い力と呼ばれる。
    強い力は、陽子をくっつけておく力であり、弱い力は放射線と関係がある。
    ちなみに、強いとか弱いは、電磁気力と比較したときの強弱である。
    つまり力関係でいったら
     強い力>電磁気力>弱い力
    である。
    あれ?重力は?と思うかもしれないが、重力は上の3つ力と比較すると非常に弱い力となる。
    つまり、自然界の力の順番は次のようになる。
     強い力>電磁気力>弱い力>>>重力
    重力はびっくりするほど弱いのだ!


    なぜか?なぜ重力だけこんなに弱いのか?
    未だ誰も知り得ていない物理学最大の難問である。
    この問題に解答を教えてくれるのが、先の超ひも理論だと期待されている。
    この超ひも理論何がすごいのかというと、とある方程式を解くと、とある条件では重力以外の力が方程式から勝手に現れるのだ!
    なんと美しい!
    物理学は、最小の理論で自然界を記述したいと考えている。そして、自然はそうなっていると信じている。
    今までは、電磁気学はMaxwell方程式、重力はEinstein方程式、強い力はYang-Mills理論等々、現象によって方程式を変えないといけなかったが、超ひも理論を使えば(基本的に)必要ない。なぜならば方程式を解くと方程式が教えてくれるのだから。
    とはいいつつ、解ければという条件がつくけれど。
    使う数学を恐ろしく高度で、現実的に解くことができるのかとう問題もある。数学的にまだまだ調べないといけないところがあるそうだ。

    さきほど「とある条件」と書いたが、この条件とは実は次元の数である。
    日常で感じることができる次元は縦横そして高さの3次元に時間の1次元を加えた4次元である。
    なぜ3次元(+1次元)なのだろうか?
    これも物理学は神様が決めた、とは考えない。
    神様といっても、何かしらの数学的(物理学的)な制約があり3次元になったと考える。(そうなっていてほしいと考える)
    実は超ひも理論こそが神様の制約だったのだろう、と考えることができる。
    なぜならば、特定の次元しかこの理論は役に立たないからである。他の次元を採用すると理論が破綻して現実の現象をうまく記述できない。

    その次元こそ・・・・・まさかの10次元(+時間の1次元)!
    10次元っ。圧倒的次元。。。。
    何かのギャグかと思いたくなるが、至って真剣である。
    11次次元でないと理論が破綻するのだ。
    現実の4次元に加えて7次元もどこに行ったのか?
    本書でその答えを読んでいただきたい。

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    2017/08/25-- 再読
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    2015/11/13-- 再読
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    2013/09/01-- 初読
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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授/ウォルター・バーク理論物理学研究所所長
東京大学カブリIPMU主任研究員
米国アスペン物理学センター所長

「2018年 『素粒子論のランドスケープ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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