世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 (角川書店単行本) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 角川書店
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感想・レビュー・書評

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  • ここ数年注目のヤンキー論の本。当然、ヤンキーそのもの(狭義のヤンキー)ではなく、「ヤンキー的なもの」、あるいはその背後にあるヤンキー的メンタリティ(広義のヤンキー文化)を紐解く。
    ヤンキー的なものの定義が際限なく広がってしまい、ともすれば(自分たち)インテリ以外の大衆すべて、となりかねないところは、ヤンキー論全般に言える危険性が本書にもある。(自分たち)という言外のカッコは著者であり読者であり両者の結託を生み出し、(自分たち)インテリには理解のできない流行や社会現象をヤンキーというラベルを貼ることで理解したつもりになる。そうしたことへの対処はヤンキー論全般にとって必要なことだろう。また、ヤンキー文化と天皇制を接続するあたりはより慎重な議論が必要になると思う。
    とはいえ、行動主義的リアリズムやヤンキー文化の女性性・母性性、反知性主義といった提示は、ヤンキー的なもの、あるいはヤンキー的なメンタリティを考えるうえで良質な視点を与えてくれる。特に、ヤンキー文化の女性性・母性性というのは非常に重要な指摘で、これはしっかりと考えなくてはいけない。
    ちなみに、ヤンキー的メンタリティとビジネススクールに集う人々とは、実は親和性が高いんじゃないかとちょっと思ったりもする。

  • 例えばヤンキーが小説よりもマンガやドラマの方と相性が良いというのもヤンキーが表面性で浸透していく証左になるのかなと。

    ヤンキー文化の浸透という意味では、個人的に気になっているのがアディダスがヤンキー文化を取り込んだ現象。エグザイルの採用も記憶に新しいが、アディダスの象徴であるスリーストライプスがやたら光だしたりと、ヨーロッパブランドがまさかのヤンキー化を見せたことに驚いている。

    それはさておき、本書ではヤンキーと不良は別物ということになっている。しかし読み進めてもその辺がはっきり区別できなかったので、内容を理解できたとはとても言えない。それでも本書で指摘されている内容はどれも興味深く、先ほどのアディダスの件のように類題を自分で探して検証するきっかけにもなる。

    サブカルをインテリ視点から解釈・分析していく内容が好きなら一読の価値ありだと思われます。

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著者プロフィール

1961年岩手県生まれ。医学博士。筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学など。

「2016年 『ひとはなぜ戦争をするのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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