- Amazon.co.jp ・電子書籍 (308ページ)
感想・レビュー・書評
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本質、目的を理解し、歴史を学び合理的な戦略を立案し、それを遂行するために情報伝達をし率先垂範するリーダーシップが如何にいつの時代も日本に求められているのかがよく分かる。
また、信賞必罰が徹底されていない組織における統治の歪みも多く指摘されている。これも未だに日本の大組織にありがちな現象である。人事やインセンティブによる組織の不活性化もそうである。
それに加え、一億総玉砕や臆病者などのフレーズによる空気支配が合理的判断を著しく歪めたことも興味深い。バイアスの排除は長くテーマでありながらうまく排除された事例を日本では見ない。
戦争は状況及びその背後にある敵の意図の理解、それを踏まえた戦略立案と実行という、企業戦略に非常に似た行程を踏んで行われる。そこからできるだけ多くのことを学び行動に移すことこそが現代を生きる我々に求められていることなのであろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一番有名な『失敗の本質』の方は未読なんだけど、その続編たる本書をなんとなく手に取り、そのまま読み終えてしまった。ちょっと前に、読んだ菊澤研宗氏が書いてたからね。戦争中のさまざまな事例をとりあげつつ、リーダーシップについて、組織を動かすメカニズムについて教えてくれる。現代の経営につなげる色彩もあり、そのあたり面白かった。歴史そのものを求める人には、そのあたりが雑味に感じられるようなレビューも聞くけど。
山口多聞という人について、前に半藤一利氏の本とかで読んではいたんだけど、もっと知りたくなったな。ちょっと調べたら、誕生日が俺といっしょだった。ちょっと親近感。でも、亡くなったのは今の俺とほぼ同じ年。写真は貫禄があるんだけど、なんというか歴史の残酷さを感じてしまった。