- Amazon.co.jp ・電子書籍 (190ページ)
感想・レビュー・書評
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ニーチェには、ニヒリズムや「権力への意志」といった不穏な言葉がつきまとい、暗くて重苦しい思想家なのかと思っていたが、実際は真逆で、「ルサンチマン」を根拠にするニヒリズムから抜けきれない現代世界に光を与えてくれる力強い思想家だとわかった。
文章中で何度も何度も要点を強調しているので、理解の早い人にとっては冗長な文章に感じられるかもしれないが、初学者の私にとっては議論についていけなくなりそうになるたびにポイントを繰り返し思い起こさせてくれるので、とても読みやすい本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意味も分からず濫読していた若い頃に新書で一度読んだ覚えがあるのを、たぶん20年ぶりぐらいにkindleで読み返してみた。
ニーチェの思想を分かりやすく解説しつつ、ニヒリズムの中でどう生きていくか?というとても普遍的な問題について考えさせてくれる一冊。
世の中、人の上に立つ強い人と、下に立つ弱い人に必ず分かれる。
強い人ほど欲望を満たし、弱い人は耐えるしかない。
弱い人は、そういう世界になってること自体を不満に思う。
一体どうすれば、もっと幸せに生きられるのだろう?
この本を読んでも答えはないけど、今までどのように考えられてきたか、
何が起こってきたか、は大まかに分かります。
いつか、進化したAIがこの問題に新しい局面を引き起こすかもしれません。
献身的に弱い人を助け、さらに強くなろうと高みを目指す超人に、AIはなれるか? -
ニーチェの思想について学ぶ一冊です。キリスト教の思想的支配が弱まってきた時代のヨーロッパにもたらされたニーチェによる力強い<力>の哲学を理解する上で重要な概念について述べられています。キリスト教思想によって醸成されていった奴隷道徳、そこから必然的に生じるルサンチマンやそれを超克するための<権力への意志>といったものはだいたいの意味がつかめたけれど<永遠回帰>なるものは難解でよくわからなかったです。