- Amazon.co.jp ・電子書籍 (183ページ)
感想・レビュー・書評
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電子書籍化の流れが分かるよ
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パソコン部に所属する高校生、許斐七海(コノミナナ)。コンサルタント会社にインターンをする。
その会社の社長が、山田仁五郎。酔っ払いで事務所で寝ている。音量ボリュームの大きな曲を聞かせ覚醒させる。文字を読まずに、図解で読む。
仁五郎とナナは、マンガ著者の鈴木みそ吉のコンサルティングをする。まずは、電子書籍出版を手掛ける。仁五郎はステルスを作って、人気を煽る。一気に、電子書籍は売れるようになる。1巻目は安くして、徐々に値を上げていくのだ。マンガは、それがしやすいね。 -
タイトルだけ見るとなんのマンガだかさっぱりわからないが、コンサルタント業界を舞台にしている。天才コンサルタント・山田仁五郎の事務所に、学校の「職場体験」授業でやってきた女子高生ナナ(七海)が、そこで才能を開花させ、仁五郎の助手として活躍していく物語。
……なのだが、この第1巻にかぎれば「マンガで読む電子書籍入門」として読める。仕事が減って生活苦に陥った中堅マンガ家・鈴木みそ吉を、仁五郎とナナが電子書籍の世界で「再生」させるプロセスがメインストーリーになっているからだ。
そう、鈴木みそ吉は作者の鈴木みそ自身をモデルとしているのだ。
鈴木みそはKDPで旧作『限界集落温泉』を大ヒットさせ、「電子書籍でヒットを飛ばしたマンガ家」の代名詞的存在となっている。その鈴木が自らの体験をベースに、「中堅どころのマンガ家はいかに電子書籍の世界に飛び込んだらよいか?」をストーリーマンガの形式で語ったのが、この第1巻なのである。
というと、文章を絵に置き換えただけの無味乾燥な「学習マンガ」を想像されるかもしれない。しかし、ドキュメントコミックの第一人者である鈴木みそだけに、そんなつまらないマンガにはなっていない。
作品の性質上、説明ネームが多めなのは致し方ないが、それでも十分に「マンガとして面白い」作品になっている。キャラも立っているし、回ごとの山場もちゃんとある。読者をグイグイ引っぱる牽引力をもっているのだ。そのうえ、電子書籍についての実用マンガとしても読めるし、マンガ界の近未来を展望した本としてもすこぶる読み応えがある。
電子書籍の話はこの巻のみで、次巻はゲーム業界が舞台になるようだが、ゲームをやらない私でも「次巻も買おう」と思えた。 -
虚実入り混じっているのか?と思われれば成功、との後書き。
私には成功で、2013年の作者のKindleブレイクを垣間見た気になれた。
単純に、漫画としても面白いと思うので、取り敢えず読んでみては。 -
漫画家がAmazon KDPで電子書籍を自分で出版する。
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作者は限界集落温泉の人。天才コンサルタントなる人がなんやかんや解決していくだけの話らしい。限界集落温泉とほとんど同じような話。一巻を読む限りはただ漫画家が電子書籍を出すことについてだけ触れられている。限界集落温泉(やナナのリテラシー)自体がKDPなので、作者自身の体験を漫画にしたのだろう。商業誌で出した漫画を個人で電子化するにあたってセリフのフォントを打ち込み直さないといけない、みたいなことが書いてあったのが面白い。限界集落温泉のセリフやあとがきの文章なんかは位置や大きさが乱暴で読みにくい箇所がいくつもあり、漫画家が自身で打ち込みしたのが目に見えて分かったから。しかしナナのリテラシーでは読めない箇所もなく大丈夫そう