悪女について(新潮文庫) [Kindle]

著者 : 有吉佐和子
  • 新潮社 (1983年3月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (306ページ)

悪女について(新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 有吉佐和子好きの友人に「『紀ノ川』を読んだ」という話をしたら、初心者は『悪女について』から入るものだと諭されたので、読んでみた。10代から数々の男を魅了する一方、機を見て敏な手腕で莫大な財産を築き、最後は謎の転落死をとげた女性 富小路公子の半生を関係者 27人の 1人称ナレーションで語る(著者が各関係者にインタビューして回っているという建付)。

    二股、三つ股はあたり前のように男性を手玉に取り、時にはモラルを逸脱しつつも財を成した公子は、確かに典型的な悪女のイメージに合っている(もちろん、タイトルから受ける先入観もあるけど)。しかし、それ以上に、見る人ごとに異なる印象を与えつづけた裏表の激しさこそが、悪女の悪女たる条件だったのではないかと思うのだ。複数人の周辺証言によって主人公を描き出すという小説構成はありがちだが、この「悪女の裏表」を描き出すのにこれほど最適な構成もない。同時並行していた男が次々と証言するストーリー運びは、男の目から見ると、自分の彼女の(それも複数人相手の)浮気に気付かされるようなショッキングさを持って読んだ。そして、その構成からして予想できるように、再読、再々読を促される。ただし、ミステリとして読むと、著者は(この一度として登場しない)主人公の死の謎を明かさないままに「悪女について」を終えるため、若干のもやもや感は残る。

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