瓜子姫の夜・シンデレラの朝 (Nemuki+コミックス) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 東西のおとぎ話を題材にした短編集。よく知っている話が諸星大二郎にかかると新しい物語に生まれ変わる。「瓜子姫とアマンジャク」は、瓜子姫を巫女として設定し、そこに有名な宇佐八幡宮の神託事件を絡めるという趣向で非常に面白かった。読後感も切なくていい。やはり諸星大二郎はすごいね。

  • ★★★☆☆

    koboの40%オフクーポンが10枚送られてきたので何か買おうかと考えていて最初に浮かんだのが『進撃の巨人』の13巻で、次が諸星大二郎。

    結構、電子書籍化されていたんだけど、持っているものがほとんどだった。

    その中で本書のタイトルは初見だったのだが、瓜子姫が出てくる話は別の本で読んだことがあったので再録かなと思ったんだけど、他の収録作はどうやら未読のようだったので、ええいままよ、と思って買ってみた。

    結果的には瓜子姫の話も題材が同じだけで内容は別物だった。

    収録作は、とりとめのない話や観念的な話だったりもするのだけど、それが皮膚感覚での説得力を持ってしまうのが諸星マンガの不思議なところ。

    特に好きなのは本のタイトルにもある、シンデレラの話。

    お城勤めのOLであるシンデレラがなくしてしまった靴を捜す。

    騎士や王子、ドラゴンなどが出てきてもスペクタクルな展開にはならず、ひたすらまったりと時間が流れる。

    もちろん諸星大二郎の評価を上げているのは妖怪ハンターや暗黒神話などであって、こういったナンセンス系の作品はあくまで余興ではあるのだが、それでも時々思い出したように読みたくなるのだから不思議だ。

    こういう、ふと思い出して読みたくなる本こそ、電子書籍に向いているのかもしれない。

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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