女性に関する十二章 (中公文庫) [Kindle]

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  • 当時の婦人公論に連載されたエッセイの文庫化。映画化される程のベストセラーだった。一見真面目な語り口調であるが、皮肉や揶揄が多く、笑いを誘おうとしながら自身の(時として牽強付会な)持論を展開する。これをユーモアとして解することができないと、巻末の酒井順子氏のようにまるで一人相撲をしているような要領を得ない感想しか得るものがないだろう(例えば、着飾るという行為の精神分析的な意味での根源的な理由を想像されたい)。
    男性がまず言語化しないだろうということを、かなり的確に語る。家庭や妻の存在が男性にとっての世俗化となる感覚や、どんな美しい女性であっても男の幼いころの記憶の中にいる女性には敵わない感覚など。それはたとえば女の恋は
    上書き保存、一方男の恋は別シート保存…ということの遠回しな吐露であろうか。
    宗教者に男性が相応しい理由は改めて納得。女性の容姿に関するあけすけな考察なども大変面白い。
    伊藤整自身が別の書で、日本近代において愛の実現がいかに難しいか、または不可能であったかを語る一方で、本書では自分が妻をいかに愛しているかを露骨に述べる下が余りに多い。いちいち読みながら苦笑する。
    現在の倫理や恋愛至上主義を相対化し、先進的な理念による色欲や本能の超克を諦めている。むしろその方が家庭生活において健全だと看破している。ある意味で究極の保守主義者だろうか。また、親鸞主義者だろうか。また、幸福なニヒリストだろうか。

  • 中島京子の「彼女のに関する十二章」の中に『女性に関する十二章』が出ていて読みたくなった。1954年のベストセラーだったそうだ。今読んでも新鮮。映画化もされているようだ。伊藤整は1950年、翻訳したD・H・ローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』がわいせつ文書に当るとして警視庁の摘発を受け、起訴された。

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