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感想・レビュー・書評
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時間をかけてじっくり読んだ。楽しかった。
山村修(1950-2006)は書評家である。「狐」のペンネームで書評を書いていたが、死去直前に本書で実名を明らかにした。
本質的な問いから立ち上げている優れた入門書こそ得るものが多いと言ったのは内田樹であった。
そして本書の「はじめに」で山村修は「すぐれた入門書というものは、おのずと読者の視野をシャープに切りひらく力をともなっている」と述べている。
本書掲載の入門書は読んだことがないものばかりであった。既読の本とクロスオーバーする部分もあったが、山村修の文章が面白いので引き込まれて何冊も買ってしまった。菊地康人著『敬語』を紹介するところでは、橋本治の本が引き合いに出されていた。これは『ちゃんと話すための敬語の本』のことで「敬語とは距離である」という主張を取り上げている。
(1)武藤康史『国語辞典の名語釈』
(2)菊地康人『敬語』
(3)橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』
(4)里見弴『文章の話』
(5)堺利彦『文章速達法』
(6)藤井貞和『古典の読み方』
(7)萩原朔太郎選評『恋愛名歌集』
(8)高浜虚子『俳句はかく解しかく味う』☆
(9)三好達治『詩を読む人のために』
(10)窪田空穂『現代文の鑑賞と批評』
→『窪田空穂全集』第11巻収録
(11)エルンスト・H・ゴンブリッチ『若い読者のための世界史』
(12)岡田英弘『世界史の誕生-モンゴルの発展と伝統』
(13)遅塚忠躬(ちづかただみ)『フランス革命-歴史における劇薬』☆
(14)内藤湖南『日本文化史研究』
(15)中村稔『私の昭和史』☆
(16)金子光晴『絶望の精神史』★
(17)田川健三『キリスト教思想への招待』
(18)岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』☆
(19)内田義彦『社会認識の歩み』
(20)井筒俊彦『イスラーム生誕』☆
(21)武者小路穣『改訂増補 日本美術史』
(22)辻惟雄『奇想の系譜』
(23)菊畑茂久馬『絵かきが語る近代美術』
(24)若桑みどり『イメージを読む』☆
(25)前田英樹『絵画の二十世紀』☆詳細をみるコメント0件をすべて表示