チョコレートの天使 [Kindle]

著者 :
  • 赤井五郎
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本棚登録 : 101
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (463ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 虫をあらゆる物に加工する"虫技師"として働くニコラは、愛娘を虫工房の事故で亡くし、工房を辞める。
    失意の日々の中、見出した希望は、魔女に娘を生き返らせてもらうことー。
    金を貯めるため、表向き屋台で花を売りながら、酒の密売をしている。

    このニコラを主人公とする話かと思ったが、時間軸を貫くのは"スノウロール"という謎の存在。老婆であり、少女でもある。
    そして、ジルという老婆の宿で起きた殺人事件、町唯一のチョコレート店、「時間を与えられた者」として魔女を追う警察官のサンオンとティティア、魔女について最も詳しく知る書師のマグザブ、目が見えなくなった貧民街の少年ツインズ・ワンら。

    迷路のような路地が入り組むライヒースの町を舞台にする独特の世界観がよかった。密売が横行し、退廃的な雰囲気も漂う。虫がたくさん出てくるけど、グロテスクさはない。

    kindleのセルフ出版で、初めて読む作家さんだった。
    ダイヤ原石のようなファンタジー。
    かなり長いから、読みきれないかなと思ったのだけど、一度も飽きなかった。
    でもどこか平面的な感じがするのはどうしてかな。もう少しメリハリがついて、登場人物が立体的に交錯していったら、もっと面白くなりそう。
    最後に伏線は回収されていくものの、もう一度読みたくなって最初からたどって書き出しながら読んだ。でもちょっとわからないところもあり。特に最初の少女とカエルがどういう位置付けなのかわからなかった。。警察のサンオンとティティアも半端な感じがする。

    もし他に読んだ人がいたら、答え合わせというか、色々と語り合いたいところ。長いけど、ファンタジー好きな人は是非読んでみてください。

  • 虫技師という聞き慣れない職業の男から話が始まる。物語の背景設定が徐々にしか明らかになっていかないが、なるほど「魔女」の生きる時代。物語のキーワードも「虫」じゃなくて「魔女」だということに気がつくと、主人公を錯誤していたことにも気がつく。脈絡がないように見えながら、最後でどかっと回収して、ハートウォーム、ただし哀しさの隠し味が効いた、ファンタジーとして成立する。お見事。

  • 2017年2月。kindleオーナーライブラリで借りた本。

    kindleで読むには、ちょっと読み辛いかな。
    時を渡って書かれているので、ちょっと頭がゴチャゴチャして確認したいと思っても、本と違ってkindleだと、なかなか該当ページを見つけられず苦労しました。

    とても綺麗なお話でした。
    魔女の優しさと、切なさに、最後ジルと一緒に私も泣きました。

    このお話で好きな登場人物は?と聞かれたら、誰が一番人気なのだろう。
    なぜだか、私はマグザブが一番好きだった。

  • 残り10%くらいまで風呂敷がたたまれなくてビビりました
    読むのにすごく疲れたけど、その分すごく楽しい時間をすごせました
    世界観がすごい
    作者は魔女かな

  • 読みはじめてすぐに世界観に引き込まれた。2回読んで、あぁこういうことだったんだってわかった。ファンタジー&ミステリーな小説。余韻に浸れるくらい面白かった。

  • 各章のお話がぶつぶつと切れているようで、話の流れが見えなかった。最後で、魔女だからそうするのかとは!なんだか読み終わったのが馬鹿みたいだ。

  • 虫技師など独特の世界観のファンタジー。
    魔女が登場。
    色々な話が最後にまとまる様は心地よい。
    面白かった。

  • 最後の回収がお見事で、心温まるお話でした。

    この世界では、ペンやグラスなど、あらゆる生活用品に虫を使った細工が施されています。その虫を扱う「虫技師」という仕事をしているニコラを中心として物語が進んでいきます。

    最初は「あれ?思っていた話と違う感じだな」と思いましたが、読み進めていくうちにある「謎」に辿り着きます。ニコラを含め、様々な人がその「謎」の正体をそれぞれの角度から追っていきます。

    そして最後に…。温かいけど切ない、もう一つのテーマが隠された物語です。
    もう一度読み直してみたいと思うお話でした。

  • 虫技師、という不思議な職業
    二つの不幸な事故
    迷路のように入り組んだ街
    未解決殺人事件
    魔女と呪術師にまつわる逸話
    繋がっているようないないような奇妙な夢を見ているような感覚だった

  • もう一度読まねば。僕の頭では十分に理解できないところがあった。それでももう一度読みたいと思わせてくれる。変な世界観で、ついていけないかも、退屈かもと思いながらしばらく読んでたら、いつのまにかその世界の緻密な描写に引き込まれていく。最後に少しずつ少しずつ良くわからなかった事が明らかになっていく心地よさと安堵に満足できそうでできない感じが良かった。もう一度ちゃんと読んで、物語の全貌を理解したい。

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