アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 (集英社学芸単行本) [Kindle]

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  • ポルトガルとスペインに先んじられたイギリスは東洋との貿易のため北西航路を探していた。ジョン=フランクリン率いる129人の探検隊はレゾリュート湾からキングウィリアムス島を経てバック川を目指すが消息を断った。

    作者は探検家と共にジョン=フランクリンの足跡をたどり、レゾリュート湾からキングウィリアム島、ジョア=ヘブン、不毛地帯を経てベイカー湖まで3ヶ月の探検に出る。マイナス30−40℃の中100kgの橇をひき、北極熊のうろつく凍った海、乱氷を麝香牛を殺め、雷鳥を捕獲し、鳥の卵を食糧とし、アムンゼンやスコット、ジョン=レーなど探検家たちのことを思索しながら歩いた冒険の記録。

  • 著者の作品は、空白の5マイルを読んで、2作品目だ。
    空白の5マイルでも、描写がイマイチだな~と思ったが、やはり、この作品も、同じような感じだった。
    北極という極寒の地を踏破してきたのは、すごく大変なことで、命をかけて旅してきたわりには、その感動や自然のすごさなどを伝えきれていないように思う。
    結局、アグルーカの行方も、最後の方に、ちょろっと考察されているだけで、物足りない。
    残念だけど、次の作品を読もうとは思わなかった。せっかく、秘境作家という新しいジャンルを切り開こうとしているのに描写が本当にもったいない。

  • 100年以上前に北極航路を探検中に隊全員が死亡したという
    フランクリン隊の足跡を追って、同じような経路を日本人探検家二人が北極を徒歩で歩いた記録。
    北極探検の歴史的経緯と著者らが経験した北極でのできことと交互におりまぜ、結局全滅したフランクリン隊の隊員がみた希望と絶望を追体験させてくれる本。
    零下云十度の世界の現実との距離、空腹との戦い、シロクマの脅威など21世紀の今にあって稀有な冒険の記録となっている。
    それにしても なぜ歩いたのという動機が伝わってこない。
    雪男のときもそうだったっが 多分に自己中心的
    もう少し 覚めて 踊る視点をみにつけると よい書き手になると思う。私は高野秀行さんの著作の方が趣味に合う。
    角幡さんは ホームランといかないまでも2塁打を狙っている。そしてそれを書く。
    高野さんはたとえ三娠してもそれ丁寧にを解説してくれるのだ。

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著者プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
 1976(昭和51)年北海道生まれ。早稲田大学卒業。同大探検部OB。新聞記者を経て探検家・作家に。
 チベット奥地にあるツアンポー峡谷を探検した記録『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。その後、北極で全滅した英国フランクリン探検隊の足跡を追った『アグルーカの行方』や、行方不明になった沖縄のマグロ漁船を追った『漂流』など、自身の冒険旅行と取材調査を融合した作品を発表する。2018年には、太陽が昇らない北極の極夜を探検した『極夜行』でYahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞し話題となった。翌年、『極夜行』の準備活動をつづった『極夜行前』を刊行。2019年1月からグリーンランド最北の村シオラパルクで犬橇を開始し、毎年二カ月近くの長期旅行を継続している。

「2021年 『狩りの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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