「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学 (ちくま新書) [Kindle]
- 筑摩書房 (2002年4月18日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (221ページ)
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、人が何かを「わかる」とはどういうことなのかを説明した本。
「わかる」ためには何が必要か、「わかる」にも色々な種類があることなど、人が物事を理解する仕組みや、より深く理解するためのヒントが書かれている。
この本を読むことで、自分がどのようにすれば物事を深く理解したり、効率よく理解できるかが分かるだろう。
生きるためにためになる情報が盛りだくさんで、メモが追いつかないレベルだった。 -
めっちゃ面白い本やった。
「わかる」とは「分ける」こと。
「記憶心像」に無い言葉は意味が分からない。
様々なことを分類・整理するとわかるようになる。
話が時間的に繋がれば「わかった」と感じる。
何事であっても、わかるためにはそれ相応の知識が必要。知識が無ければ、わかるものとわからないものの区別も出来ない。
「自分から自発的にわからないことをはっきりさせ、それを自分で解決してゆかないかぎり、自分の能力にはならないのです。」 -
【自分なりに意訳】
what わかるとは
・感情や体験であり、事実を知ることとは別物。
・区別すること
・心の中に元々ストックしているイメージ(心像)と、五感を通して得た情報から作り上げたイメージが一致すること
when どんなときにわかると感じるか?
全体像がみえる、分類整理できる、ストーリーとして筋が通る、位置関係がわかる、仕組みがわかる、ルール規則がわかる
how わかる方法コツ
・知識を入れる。知識が網目となり、入ってきた情報を分類していく。知識がなければ、わからない。だから記憶することが大事。ただし、それには時間がかかる。
・作業記憶という概念(要はpcのメモリ)がある。頭の中で同時に保持できなければ理解できない。メモリが小さければ紙や図を使う。
感想
・英語学習は筋トレや花粉症などと例えられたりすることがある。要は大量のインプットによる記憶や蓄積が必要で、それが頭に定着すると理解できるようになるという話。まさに今回の本の内容とも一致していた。
・また、結局日頃から勉強している人が理解力があるのも、もともと知識の網があるからということが分かる。本書でもあるように断片的に言葉を覚えているのは意味が薄いが、分かる形でインプットされた情報を持っている人は強いということになる。
また、何かを深く勉強している人が他の分野でも理解力があるのは、アナロジー的な理解を活用しやすいからなんだろう。 -
p.2020/9/2
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少々くどい。何度も何度も何度も何度も繰り返されることがあったり、また「ここでこの話をそんなに深く掘ることか?」と思わされるものがあったりと、少々じれったいところもある。しかし、分かるということを細かく丁寧に分解してくれ、自分がぼんやり捉えていたものよりも明確化してくれていることはありがたいと思った。
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同じようなことが何回も書かれていて冗長だった。ただ、そのおかげで内容は記憶に残った。
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記号(名前)には記憶心像を捕まえる働きがあり、
そして、この記号を用いて自分の中の記憶心像を他人とやり取りできるようになる。
という"第2章 「わかる」ための手がかり ─ 記号"に書かれている内容は子育てをしている身としてはとても実感できるものだった。
先日、子がネギトロを見てつぶれた魚と呼んでいた。
この本に基づくと彼の中ではネギトロの記憶心像に対してネギトロという記号が関連付けられていなかったということ、だろう。
この本に書かれているように記憶心像と記号の関連付けが子の内面で行われている、
という意識を持つことで子にモノゴトを教える際の助けになるかもしれない。