世界のエリートの「失敗力」 彼らが<最悪の経験>から得たものとは (PHPビジネス新書) [Kindle]

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  • PHP研究所
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感想・レビュー・書評

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  • あくまでマインドの話。
    読んだからといって行動が変わるとは思えない。

    印象に残ったのは以下の逸話
    ・成功の原因は見つけにくいが、失敗には原因が明確にある。
    ・Googleは失敗という考え方をしない。最低限の状態でリリースし、クレームやフィードバックがあることを前提としている。

  • 様々なステージでグローバルに活躍を続ける「エリート」たち。マッキンゼー、グーグル、トヨタ、ソニー、電通、三井物産、三菱商事、など。
    そしてこの本は、彼らの「失敗」と、それを克服し、学んだことがテーマ。
    私は自信満々に語るような自己啓発本があまり好きじゃない。
    なので、こう言った「失敗」に焦点を当て、それを謙虚に綴ったエピソードというのは新鮮に感じたし、身近に感じられ、また人間らしさを感じた。

    取り上げた人の中には、外資で働くエピソードが多かった。 日本とは文化や考え方ももちろん違う。
    私自身は外資ではないし、海外の方と仕事をする機会もほぼ皆無だが、興味深かった。
    たとえば、アメリカ人はストレートにものを言うと思い込んでいたが、意外と、日本人以上にオブラートに包んで話をする人が多い、とのこと。
    終身雇用制の日本とは違って、アメリカではいつ自分の仕事がなくなるか分からないので、対人関係に意外にもデリケートだと言う。
    また、ロシアでは 決められたことをのんびりやる「社会主義タイプの人」、お金儲けのためなら効率よく働く「資本主義タイプの人」と分けられることが多いという。ビジネスパートナーの適性をその都度見極めることも大事。仕事は「対人」がやはり重要なのだと思った。

    日本企業では、三井物産の失敗共有システム。失敗事例やそこから得た教訓を会社で共有する仕組みがあるとのこと。社員がオンラインで見ることができるシステムになっていると言う。
    商社は扱う規模や金額が計り知れない。それだけにかなりミスはものによってはクリティカルだと思うが、だからこそ、詳細を伝達していくことは大事だと思った。
    自分の会社も似たようなシステムを採用している。ミスロス報告書を必ず提出し、ミスが起こった原因と、損失額、そして今後の対策を明記する。
    ミスは誰でもしたくないし、更に知られたくない。それは全員同じだ。しかし、また同じことを繰り返さないためにも、こういった仕組みは絶対大事。

    バックアップ対策にも注目。「AがダメならB、BがダメならCとバックアッププランを立てる。バックアップを常に想定する。」という考え。
    納期がないと、どうしても一案だったり、先方のオーダー通りに返答したり、どうしても凝り固まってしまうことが多い。
    視野を広くして、他の方向性、代替案を見出すことを忘れない働き方をしたいと思った。

    また、必ずしも「高い目標を掲げる」ことが大事とは限らない。ハードルを上げすぎて、それが結局達成できず精神的にダメージを受けるくらいなら、期待値を低くして、目の前のことに全力を尽くす。そうすれば長期的に見れば成功の可能性が高くなるかも、という考え方にも共感を持った。
    うん。私はこっちのタイプだな。まずは、目の前のことを着実に乗り越えていこう。
    人間誰でも失敗する。それを乗り越えて成長する。
    よく聞く言葉のようだけど、この本のように、具体的な経験談を語る人もまた勇気がいることだと思うし、人として忘れてはいけない「謙虚な姿勢」の大切さに気づけるんじゃないかな?
    少なくとも、私は、仕事が出来るけど傲慢な人より、謙虚な人に好感を持つ。

  • 【目的】 グローバルリーダーとなる人材に求められる「失敗から何を学ぶか、どう立ち直るか」という能力について、様々な体験談を交えながら紹介する。

    【収穫】 失敗を恐れて何もしないより、失敗をしてそこから学びたいと思えるようになった。

    【概要】 ■世界のMBAが求めるグローバル人材: チャンスを追い求める人。世界中どこにいても、絶え間なくチャンスを追い求め続ける人。コンフォートゾーンに留まらず、そこから飛び出して挑戦できる人。つまり、失敗を恐れず、失敗してもまた立ち上がり再挑戦することが求められる。
    ■失敗したときの立ち回り: 「誠実な説明」と「信用の回復」がキーワード。早めに関係者や上司に自分の立場を弁明するか、今、自分がどう対処しているかを説明することが重要。安易に謝罪や自分の非を認めずに、できるだけ情報をシェアして味方を増やす。嫌でも自分から直接説明することが、信頼に繋がるし、本人の気持ちの処理も早く進む。短絡的な自己防衛(責任転嫁や逃げ)は避けるべき。
    ■失敗を恐れないためには: 期待値を高くもたないことがカギ。成功や失敗は自分の主観で決まる。完璧な自分を期待をすると、少しのミスも失敗になる。期待値を高く持たなければ、少しのミスは失敗と認識せず、想定を超えて成功したと感じる範囲が広くなる。また、個人と組織の失敗を分けて考える。一人のミスで会社が潰れることはない。その後の行動がもっと重要。新人時代の失敗は、一、二年もすれば笑い話になる。
    ■再起できる失敗: ①最大限の努力をした結果の失敗。②投資家や周りの人に対して、最大限の誠実さを尽くした結果の失敗。逆に挑戦できたのにしなかった失敗は、挽回できない。
    ■敗因分析: 世界で活躍する人は、「なぜ怒られたのか、次に怒られないように自分が出来ることは何か」を冷静に分析している。ポイントは、①とにかく「客観的」に事実を分析すること。②自分の感情を挟まないこと。③自分で解決できることに焦点を合わせること。

    【感想】 過去の失敗に捉われクヨクヨすることと、失敗を恐れ挑戦しないで後悔した経験の両方があるため、本書で語られている失敗への心構えと立ち直り方というのは、非常に参考になった。特に仕事上の失敗は、その後いかに挽回するかに焦点を当てるかが重要とわかり、この先失敗してしまっても、それを忘れないようにしたい。

  • 大失敗って経験ないなぁと思いながら手に取った本。



    失敗から立ち上がれないと成功できないから失敗体験を語らせる、というのが本書の趣旨。自分が失敗した事柄は人に話すのも嫌なものなので、それを他人に話せる状態になるまで消化するのは大変だろう。正直失敗がしょぼすぎる気がするが、しょぼくない大失敗は人に話せるほどには消化できないし、そんな大失敗してたらそもそも社会人続けられてないというのもあるのではなかろうか。



    自分の今までの人生で最大の失敗って何かと客観的に考えると、留年と浪人を経験したことだろうか。今は特になんとも思っていないが、当時は他人に説明するのも、その言葉を聞くのも嫌で、すさまじい劣等感だった。社会人になって食っていけている今、失敗と聞いても留年や浪人を連想できないほどには、消化できている。むしろ、あそこで寄り道して得たことが今の強みになっているのでよかったと思っている。なので、たまに飲み会とかで口にすると周囲がびっくりするのをみて、俺がびっくりする感じだ。


    残念ながら、社会人になってからの大失敗は思い当たらない。なぜなら、IT業界はほとんどのプロジェクトが失敗しているため、失敗プロジェクトがあたりまえ過ぎて、何が失敗か分からなくなっているからw ITで大失敗しようと思ったら、社長になって会社を興して倒産させることじゃなかろうか。



    確かに成功体験より失敗体験のほうが人を見るにはよさそうだね。

  • 失敗してもその原因を分析し、次に活かせた人がエリートとして成功している。という話。
    よく言われる話だけれど、実践は難しい。。

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著者プロフィール

1998年3月 一橋大学法学部卒業
1999年8月 マールブルク大学(ドイツ)法学部公法・国際法専攻(LL. M)修了
2000年3月 一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻修士課程修了
2003年8月 マールブルク大学法学部公法・国際法専攻博士課程修了(Dr. jur)
外務省勤務,明治大学法学部専任講師・准教授等を経て,
2021年10月 明治大学法学部教授(現在に至る)

「2021年 『EU海洋環境法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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