英子の森 [Kindle]

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (85ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だったとは知らなかった……。
    単純に個人的な好みの問題なのだけど、シュールというか、幻想的な話とか奇抜な凝ったスタイルとかがとても苦手なので、そういう部分が読んでてかなり苦しかったのは事実。普通のストーリーの部分はリアルに感じられたし、ユーモアもあって読みやすいし、共感できるし、おもしろかったんだけど。

    表題作「英子の森」に個人的に震撼した。
    子どものころから英語が好きで、英語を使った仕事をしたいと思い、英語を勉強しているけれども、帰国子女でもなく、ずばぬけて英語が堪能ってわけでもないのでまともな仕事はない、という主人公の話が、個人的に、似たようなこと思ってきた部分があるわたしには身につまされすぎて、おそろしいほどだった。なんだかいろいろ打ちのめされた。生き方や考え方の甘さをつきつけられたような。なんておそろしい……。
    むなしい人生だった、こういう人生は送らないように、と言い残して死んでゆくおばあさんにもぞっとした。(わたしもたぶんそうなるな……)。
    でも、結末としては、今いるところから飛び出したりせず、地に足をつけてがんばっていこうっていうような、希望のもてる、いい話だったのだと思う。
    (恐怖のあまり結末まで気がそぞろだったのであいまいですが……)。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      この本私も気になってます。
      新聞書評か何かを読んだだけですが胸に突き刺さりました。
      え、これ私!?って。
      それ以前...
      こんにちは。

      この本私も気になってます。
      新聞書評か何かを読んだだけですが胸に突き刺さりました。
      え、これ私!?って。
      それ以前に足元にも及ばないかもしれませんが・・・。
      怖いもの見たさで読んでみようかな。
      niwatokoさんでも恐怖を感じるなら私はどうしましょうか・・・(^_^;)
      2014/04/12
    • niwatokoさん
      わたしも自分のことのようで……。
      学生時代に英語が好きだったとか、英語を使う仕事をちょっとでも考えたことがある人だったら、みんな共感すると...
      わたしも自分のことのようで……。
      学生時代に英語が好きだったとか、英語を使う仕事をちょっとでも考えたことがある人だったら、みんな共感するところがあると思います。
      ぜひ読んでみていただきたいですー。
      希望がある終わりかたなので、やっぱり頑張ろうって思えるかもしれません。(そういう著者の願いと思います。わたしは個人的に、年齢のこととか考えてしまってどうも……苦笑。主人公30歳くらいですよねえ……)
      2014/04/12
  • 『英子の森』
    英語を活かす仕事。それにこだわり、派遣の仕事をしている英子。彼女は母親と森に住んで居た。瑞々しい森に逃げながら、日常の閉塞感が浮き彫りになていく。付き合うことになった男性や、同じ派遣で繋がった女性の森に遊びにいくも、そのどれもに依存以外できず、疎外感が強まる。森から、そして母からの脱出を試みるも、それが起こした変化が母や森にも変革をもたらす。そしてー
    『★写真はイメージです』
    学校の修学旅行?の集合写真。そこに映っている誰もが、結局はイメージ。それは小説もしかり。
    『おにいさんこわい』
    教育番組のおにいさん。彼を定義できる言葉は?
    最終的には、やり遂げることが答えになりえる?
    『スカートの上のABC』
    様々なスカートを纏った女性たち。彼女たちもまた美しいスカートの一部。
    『博士と助手』
    自分の内部を簡略に形に置き換えたい。そんな病気にみんなかかっているのかも。治っても、治らなくても困らないけれど。
    『わたしはお医者様?』
    何人なのか、どこなのか、地下の暗闇の中で繰り返される職業あてゲームは、やがてあらたな職業を生むゲームへと変化していく。ひとりひとりを照らしていく懐中電灯を持つ役目は、やがて最後にはひとつの職業に生まれ変わる。そして終わりが満ちる。

    最初の長めの英子の森以外は、実験要素というのか、物語の起伏より流れをおうものに。
    なかなか面白い本だった。

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著者プロフィール

1979年兵庫県生まれ。作家、翻訳家。著書に、小説『おばちゃんたちのいるところ』、エッセイ『東京 しるしのある風景』他。訳書に、カレン・ラッセル『レモン畑の吸血鬼』アメリア・グレイ『AM/PM』他。

「2018年 『問題だらけの女性たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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