- Amazon.co.jp ・電子書籍 (219ページ)
感想・レビュー・書評
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【由来】
・Kindleの日替わりセールで
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
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【目次】
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昨日新幹線の中で読んだ2冊目の本が、池上彰著『世界を変えた10冊の本』(文藝春秋)。以前Kindle日替わりセールで安かったときに買っておいたものだ。
日本には、難解なものをありがたがり、平明なものを小馬鹿にするという変な風潮がある。そのため、池上彰の著作は世のインテリ方からは軽んじられがちだ。
だが、難解なことを平明に説明できる能力こそ真の知性だと私は思うし、池上彰の知的咀嚼力はやはり大変な才能だろう。
膨大な数にのぼる彼の著書がすべてよいとは思わないが、本書などは優れた啓蒙書だと思う。
書名のとおり、歴史を変えた10冊の本を選び、それぞれについて著者の生涯・おもな内容・社会に与えた影響が手際よく紹介されたものである。
選ばれた10冊は、『アンネの日記』(アンネ・フランク)、『聖書』、『コーラン』、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ウェーバー)、『資本論』(マルクス)、『イスラーム原理主義の「道しるべ」』(サイイド・クトゥブ)、『沈黙の春』(レイチェル・カーソン)、『種の起源』(ダーウィン)、『雇用、利子および貨幣の一般理論』(ケインズ)、『資本主義と自由』(フリードマン)――というラインナップ。
10冊のうち、『イスラーム原理主義の「道しるべ」』と『資本主義と自由』は、一般にはあまりなじみがないかもしれない。
前者は、ウサマ・ビンラディンらにも強い影響を与えたイスラム原理主義のバイブル的著作(原題は『道標』というシンプルなもの)。後者は、「新自由主義」のバイブル的著作である。
各著作の本質部分をぐいっと抽出し、印象的なエピソードを積み重ねる形で、難解な書についても大枠は理解できるように作られている。「わかりやすく説明する達人」池上彰の真骨頂ともいうべき良書。 -
日替わりセールで購入
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アンネの日記、聖書、コーラン、道しるべ、一般理論、種の起源、等々。世界を変えた10冊の本を解説する。へ〜と思うが、やはり端折り過ぎかな。
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池上さんの説明が上手だし文章がうまくてすらすら読める。宗教や経済学の本は、世界を変える名著でも手にとって読むことはしないので、何が書いてあるか、名著たる意味はなんなのか、知ることができて面白かった。アンネの日記、沈黙の春は読んで衝撃を受けたことを覚えている。
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池上彰さんの現代史の講義を10冊の本を通して展開している内容です。宗教と経済学が主なテーマであり、偏っているという見方もできますが、現代史を理解する上ではこの10冊なのかな、と思います。構築主義の本が一冊ぐらいあってもいいかなとも思いました。
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池上氏の挙げた世界を変えた10冊は
アンネの日記
聖書
コーラン
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
資本論
イスラーム原理主義の「道しるべ」
沈黙の春
種の起源
雇用、利子および貨幣の一般理論
資本主義と自由
どれも確かに世界を動かし、その影響は後々まで続きました(今も続いています)。だからこそ読んでおきたい10冊をこんなにも分かりやすく解説してあり、すっかり読んだ気になる書籍は他にはありません。池上さんの本や解説はいかに難解なものも誰でもわかるようにシンプルにまとめてあるので、非常に役立ちます。 -
本書で取り上げられている「10冊の本」。この中には、有名な本もあれば、そうでもない本もあるけれど、「世界を変えた」だけの影響力のある「考え方」が詰まっている「10冊の本」。
原著に当たろうとすれば、読み応えのある本が多いところを、平易な語り口でさらっと読ませるあたりは、さすが池上さんだなぁと思わせられます。とりわけ、最後の2冊「雇用、利子および貨幣の一般理論」「資本主義と自由」あたりは、身近な話題を使って上手く解説していますが、実際はかなり難解なんだろうなぁと想像します。
そして本書を読み終えて、全体を振り返ってみると、実は「10冊の本」それぞれの解説書というよりも、「10冊の本」を題材として、現代の政治・経済・世界情勢を、池上さんが解説しているということに気づかされます。この辺の構成も上手いと思います。
とはいえ、惜しむらくは、ここが本書の限界だということ。残念ながら「よくできた解説」の域を出ていなくて、それ以上の何かを感じられませんでした。なので☆4つとしました。 -
旧約聖書とか新約聖書って「訳」が旧いとか新しいってことと勘違いしているあなた(私も含め)!。「約」は神との契約の約なんですよ、と池上さんが本書でやさしく教えてくれます・・。とても原書を読むまではできないけど、現代社会や歴史、経済ニュースなんかを理解するうえでも、何が書かれているかは気にはなっている有名な書物。そんな10冊を池上彰さんが分かりやすく解説してくれます。実に分かりやすい。分かりやすい説明はたいてい嘘だ、という意見もありますが、それでもさすが池上さん。具体的に取り上げるのは『聖書』、『資本論』、『アンネの日記』、『コーラン』、『種の起源』、ケインズ、フリードマンの経済書など。書物で残された偉大な思想や考え方というのは世界を変える力があるんだなぁと分かります。原書を読むかどうかは分からないけど、この本を読んでおけば少しは知ったかぶりができるだろうという教養書です。
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かの有名な池上彰が月刊誌「CREA」に連載した記事をまとめたもの。紹介されている本は以下の10冊:
1.アンネの日記
2.聖書
3.コーラン
4.プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
5.資本論
6.イスラーム原理主義の「道しるべ」
7.沈黙の春
8.種の起源
9.雇用、利子および貨幣の一般理論
10.資本主義と自由
10冊のうち4冊(4・6・9・10)はタイトルすら知らなかったので不勉強を恥じる。最後まで通読したのは『コーラン』だけだ。『聖書』と『沈黙の春』くらいはちゃんと読んでおきたい。
アンネの日記もユダヤ人問題という意味で含めると宗教書が4冊。経済書が4冊。科学書は2冊。これは著者の選択だが、そのまま宗教と経済と科学が世界に与える影響の比率を描いているように思える。
決して古い話ではなく、近現代においても世界は宗教によって規定され、経済によって駆動され、科学は道具に過ぎないということだろうか。