黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人 (講談社+α文庫) [Kindle]

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  • 激動の時代を敵国で暗躍した人物中根中の、歴史に埋もれた活動を調査したドキュメント。
    作中、中根の事以外にも大戦前、大戦中のアメリカ国内事情、殊更黒人社会問題と日系移民についての状況が説明されている。シアトルに繁栄を奪われたタコマ。大恐慌を軍需産業によって持ち直すデトロイト。ニューヨークハーレムの歴史など。
    元々雑誌に掲載された中根についてのノンフィクションだったが、その後中根の最後の愛人チーバーに取材出来たことで、本書が出来上がったらしい。

    ノンフィクションルポルタージュとして定番の文章進行で楽しめるが、結末としての謎解きや事実解明が特にポイントとして無いので、書籍としての興奮や感動は柔らかめ。

    太平洋戦争で東南アジアにいた米軍黒人部隊は明らかに日本軍から攻撃をされなかった。と当日の黒人生存軍人が証言している64

  • 1930年代に黒人社会に溶け込み、扇動家としてFBIからマークされた中根中、外務省のバックアップがあったとされる米国黒人の研究者・疋田保一、二人の人物の実像に迫った本。

    1930年代、アメリカに住む黒人は苦難の連続でした。その中に現れた二人の日本人、中根中と疋田保一。性格も生き方も違い、お互いに会うこともなかった二人が、どのようにして黒人運動に身を投じたのかが書かれています。

    本書は中根中と疋田保一の足跡を通じて、1930年代の黒人社会の過酷さが描かれています。それは現代アメリカにも残る問題なのです。

  • 戦後でも大変なのに、戦前に日本人が海外/アメリカで活躍(この場合は暗躍か)するのは行動力や胆力が半端なかったのだろうなぁ。

    アメリカの意向もあるだろうし、日本政府としても公にはできないこともあるだろうが、もっと脚光を浴びてもいいのでは?と思わされる「中根中」という人物であった。

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著者プロフィール

1965年、岡山県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「日経ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書に『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など多数。

「2019年 『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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