警視庁心理捜査官　捜査一課係長　柳原明日香 (徳間文庫) [Kindle]

著者 : 黒崎視音

• 徳間書店 (2013年10月15日発売)

感想・レビュー・書評

[teshiigogoさんの感想 · 2020年7月16日]

警視庁心理捜査官、吉村爽子を主人公とするシリーズのスピンアウト編、吉村爽子が慕う先輩、柳原明日香を中心とした警視庁捜査一課五係が直面した現役警察官を被害者とする猟奇殺人に立ち向かう。さしたる進展のない中、多摩中央署に異動した吉村爽子に展開を託す。シリーズを通奏低音のように流れる警察組織の内部軋轢など今回もしっかりと描かれ、捜査と帳場の手綱を握る柳原明日香もシリーズの中で別の側面が描かれ楽しめる。

著者プロフィール

岡山県在住。『警視庁心理捜査官』で鮮烈デビュー。この作品は人気TVドラマとしてシリーズ化された。吉村爽子と柳原明日香という女性捜査官二人を主人公とする「心理捜査官シリーズ」は好評を博し、その続篇も読者に熱狂を持って迎えられている。警視庁特殊部隊を描く「六機の特殊シリーズ」も、組織や装備などのリアルな描写と作品内で展開される戦略の緻密さが凄いと評判になり多くの読者を獲得した。この２シリーズで警察小説の書き手として不動の地位を築いたが、近著はなんと時代物！　幕末の世を疾風のように通り過ぎた美少女剣士の物語、『緋色の華　新徴組おんな組士 中沢琴』。新境地を開いたのち、次にいかなる作品を引っ提げて打って出てくるのか、固唾を飲んで待たれている現況である。

「2023年 『交戦規則　ＲＯＥ　〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」