- Amazon.co.jp ・電子書籍 (159ページ)
感想・レビュー・書評
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自殺直前に現代へ蘇ったヒトラーが、コメディアンと勘違いされて成功するお話。キンドル版が大幅値下げされていたので購入。
翻訳の質も含めて小説としてのクオリティがまず高く、ヒトラーの成功に一喜一憂する困った自分を発見することに。
ヒトラーとドイツをある程度知っていることが前提なので、「緑の党とナチスが、個別の政策という点では自然保護など非常に近しい物がある」などといったことを解っていないと楽しめない部分もあるかもしれない。ナチスの高官たちの名前なんかもね。
ナチと決別したはずの現代のドイツ人が、「ユダヤ人問題抜き」であればヒトラーを喜んで受け入れるのではないかという問いかけは面白い。
一方、東方でしょぼくれた戦争を戦った我々は、復活すると問題になるような指導者がそもそも居なかった訳で枢軸国もいろいろ。 -
ヒトラーが狂人ではなく、一個性として描かれている。ドイツの歴史的背景が分かっていればもっと理解深く読めただろうな、というのが個人的に残念。
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かなり面白い。ドイツ情勢に詳しかったり、マインカンプ読んでたりするともっと楽しいんだろうなぁ、って思う。まずは先に進む。
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2011年のベルリンで突然よみがえったヒトラー。1945年ドイツ降伏直前に自殺したことすら、覚えていない。現代のベルリンを、お馴染の軍服、ちょび髭で闊歩するが、誰も本物のヒトラーとは思わない。ヒトラーはコメディアンとしてテレビに登場し、人気者となってゆく。
めちゃくちゃ面白い小説。
もともとヒトラーはプロパガンダにラジオや映画を利用し、メディアを重視していた。そのヒトラーを現代のメディアに泳がせるとどうなるか、上巻はその様子が中心となっている。。
ヒトラーは、現代のテレビ番組を「ヘリウム並に軽い芸風」と批判し、インターネッ「ツ」に驚き、現ドイツ首相を「陰気くさいオーラを自信満々に放っている不格好な女」とこき下ろす。
本書ではヒトラーが非常に魅力的な人物として描かれている。そこに違和感を抱くべきかもしれないが、個人的には、よみがえったヒトラーを素直に受け容れてしまった。それだけ、この小説の娯楽性は高い。
ヒトラーについて何も知らなくても、楽しく読める小説だが、ウィキペディア等であらかじめヒトラーを一通り知っておくと、より面白く読めると思う。ヒトラーが女性や子供に寛容であったことは初めて知った。
上巻はバラエティ番組で演説したヒトラーがネットで人気者となり、Youtubeで70万回のアクセスを取るまで。
下巻も購入したが、もったいなくてまだ開いてもいない。