いちばん逃げたくないと思っているのは、勝利自身のはずだ。誰よりも勝利こそが、今の自分を不甲斐なく思っているに違いないんだから……。勝利がオーストラリアに旅立ち、残された傷心のかれんを支える弟の丈。勝利の辛さもかれんの寂しさも、そばでずっと見て来た丈には、わかりすぎるほどわかる。そんなもどかしい日々の中、由里子の思いがけない提案によって、新しい光が差し込み始める。(裏表紙より)
Tears In Heaven
Eric Clapton
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勝利が居ない日本でのお話。語り手は丈。
あの事件の詳細が書かれている。
由里子さんは勝利を頑固なほどかばっていた。
マスターに言わせると、それはかれんに負い目があるから、かれんの幸せ無くして自分達の幸せはありえないと思っているからだ。という。
そんな由里子を見ているマスターはというと『優しさだけじゃ、人殺しはかばえないってことだよ』あまりにもひどい言葉だとは思ったけれど、そう思うのは無理はないと思う。
そして、マスターがホームからおばあちゃんを引きとる事、引きとるとなるとマスターがかれんの兄だという事を花村家に告げなくてはならない事。こんな時こそ、勝利に居て欲しかったであろうに…。
日本では日本なりに時間が動いていました。