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感想・レビュー・書評
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自分にとって大切なニュースなら、ニュースが私を発見してくれる。今のSNS時代、まさしくその通りだなと実感。
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かつては「現実世界をウェブに置き換える」という作業を行っていた。
しかし今はそれらがすでに逆転している事に気が付いているだろうか。
先にウェブの世界で理想的な仮想空間が構築され、それに現実世界が追い付いていく形である。
コンピューターが未来をシュミレーション出来るほどにスペック向上したために、こういう逆転現象がすでに起こっているのである。つまり我々の生活も、ウェブで見られる未来の通りに進んでいくのである。そういう意識で周囲を見回すと、見えてくるものが変わるかも。。。
(2014/04/16) -
正直言って期待外れだった。
基本的にはWebの歴史と現象をそのまま整理しただけで、キュレーションとかシェアとか共創とか、特に新しくない話が語られていた。本書執筆時点の2014年におけるWeb世界の俯瞰、といった感じか。
そして、それがどのように現実世界の未来図であると言えるのかの説明が乏しかった。
Webは破壊的ツールであり、現実世界がこのツールをもちいて変革することは当然だが、それをもって「未来図である」と、Webがまるで現実世界の先行であったり、アナロジー的なことをほのめかすのは違うだろう。
現実はWebという新しいツールを使って変革するが、Webは現実の一要素に過ぎない。ゆえに、「Webが現実の未来図である」という言い方は自己言及的な捉え方になる。だから本書を読んでも、ただいま起きていることを並べているだけにしか思えなかった。
共創の組織論は、専門性が武器になるという点など、参考になるところはあった。
本書から「未来図」は見えなかったが、改めて現代における価値の重心を見直す機会にはなった。 -
現在のネット社会において起きていること、それが、現実社会へインパクトを与えていることについて述べてあり、大きな流れとして現状を把握するにとても役立った。これからはそれぞれを別のものとして扱うのではなく、どうつなげて効果を出していくか、現実社会では到底出来ないこともネット社会では、既に行うことができており、そこまでをツールとして考えていくことを意識していく必要があると理解した。
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冒頭に示された『社会はウェブをコピーする』というキーワード。
最初は読み込めないでいたけども、読み進めていくうちに、ウェブと社会とのつながりや関連を考えることができて、このキーワードの意味が少し分かった気がする。
もはやヴァーチャルとリアルという枠組みも境界が不明確になると感じた。
ITの進化と現状についても学ぶことができて、色々なものやシステムが創始され、それが社会に溶け込む様子が分かる。
以下、ハイライト
“情報の選別とは、それがあなたにとって意味のある信号か、あるいはただのノイズかである。これまでのマスコミュニケーションにおいて、情報とはすなわち「露出量」だった。「露出量」は「愛着」や「共感」もさることながら、まず「注目」を集めることに重きを置く。しかしフェイスブックの登場以降、情報は「強弱」に変わった。”
"この「強弱」は「愛着」「共感」に加えて「信頼」とも密接に結びつく。誰かにとって無意味な情報であっても、別の人にとっては重要な意味合いがあるかもしれない。情報発信に対する「愛着」「共感」「信頼」は人によって異なるのだ。"
“「そのニュースが重要なら、ニュースが私をみつける」”
“ネットワーク化された個や組織の力をどう発揮させるかという「デザイン」”
“周囲の力を借りるときは、自分の専門が何だったのかという立ち位置、つまり核をしっかりもっておいたほうがいい。専門的な領域は今後ますます融和していくが、力をお互いに貸し借りしていく社会では「私のもっている力はこれです」と明示できるほうが評価されるからである。”
“当然ながら社内がオープンではない企業は、世の中のオープンにも対応できない。”
“重要なのは不完全さを見抜くことだ。ネットをハックするのではなく、リアルをハックし、その不完全さを埋めることが次代のチャンスになる。そのためにはリアル社会の課題を解決するために、テクノロジーとネットワークを駆使すべきだ。リアルを活かす。それが人間中心主義における新しいデジタル活用法である。”
“しかし、私の考える「アイデア」は、発想やひらめきなどの思いつきだけではない。最初はもちろん思いつきでかまわないが、アイデアというものは単体では価値がさほど存在しない。そのアイデアをどう磨き、どう実行するのかというアイデアの執行能力が重要なのだ。さらにビジネスでは、実現までの速度も要求される。"
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【内容(「BOOK」データベースより)】
とてつもない速度で世の中を変えていくテクノロジーとインターネット。いまや私たちの社会はウェブ抜きでは成立しえず、それどころか今後は「現実世界のほうがウェブで培われた思考様式、心理状態をコピーしていく」と著者はいう。ウェブ2.0以降の世界でソーシャルメディアがもたらした「人間中心主義」、そのなかで胎動し、新しいビジネスを次々と生み出す「シェア」とは何か。グーグルグラスや3Dプリンタは人間の生き方をどう変化させ、昨日の常識が通じない時代に企業や個人はいかなる視座をもつべきか。インターネット黎明期からその進化と歩をともにした著者が、未来への希望を描き出す一書。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
小林/弘人
1965年長野県生まれ。株式会社インフォバーン代表取締役CEO。株式会社デジモ代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学教授。「ワイアード」「ギズモード・ジャパン」など、紙とウェブの両分野で多くの媒体を立ち上げる。日本初のブログ出版、オーディオブック、3Dプリント可能なコンテンツなど、つねに新たなメディアのかたちをプロデュース。98年に株式会社インフォバーンを設立し、国内外企業のデジタルマーケティング全般からメディアの立ち上げ・運用などを支援
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【目次】
第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
・人間中心主義へと向かうインターネット
・ウェブ1.0のパワーとは「中抜き力」
ほか
第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義
・グーグルが無料で利便性を提供する理由
・「スマイル0円」というマニュアル化の極致
ほか
第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか
・カーナビメーカーを苦しめるグーグル
・次の勝者は「多くをつなげてしまった人」になる
ほか
第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来
・SFの世界を想起させるグーグルグラス
・現実と仮想を重ね合わせるミクスト・リアリティ
ほか
第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」
・リアル社会にこそ「ウェブ的思考」を持ち込もう
・失敗をしよう。失敗を許そう
ほか
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ウェブで起こっていることが今後はリアル社会で起こっていく。これが本書の主張するところです。シェアやオープンなどの戦略はすでに現実世界で起こっているし、今後ますますその傾向は加速していくとのこと。もっともウェブから遠い第一次産業とITをどうつなげるかいろいろ考えていきたい。
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梅田望夫的なことを期待してたけど,テイストは違いました。弁護士の仕事も部分的にITに食われて行くのだろうな。