話題になっていたので早速読みました。
山岸涼子先生の日出処の天子では蘇我毛人が麗人であり、もはや作品とまったく関係ないところで、蘇我家の血筋にしてやられてる………とうれしい悲鳴を上げております。事実はどうあれ、この血が絶えているというのは誠に惜しいことであります。
大海人皇子が主人公ということで、大化の改新までの話だと思っていた私は驚きました。しょっぱなで入鹿が殺されてしまう。
そして登場人物が出て来て、手塚治虫の火の鳥「太陽編」にて出会った大海人皇子や大友皇子のことを思い出しました。あれでは、大海人皇子は少々こうかつな人物の印象を持っていますが、こちらはこうかつだけれども、そのこうかつさの裏にある心情が書かれていて、人間らしくとても好ましいです。中大兄皇子についてですが、この人とっても山岸先生の厩戸皇子に似てますね。ただ、厩戸皇子と違うのは、天賦の才で、ここら辺はもっと考察する余地がありそうです。中大兄皇子はとても寂しい人です。
二人の愛憎が加速して行く様子を見ていると、BL漫画なら楽なのにね、と思ってしまいます。でもそこが良いんだなあ。本編には期待せず、二人がくっつく夢とか妄想してる程度が良いでしょう。