- Amazon.co.jp ・電子書籍 (199ページ)
感想・レビュー・書評
-
超久方ぶりに読んでみた。限られたページの中に医療ドラマだけでなく、人情味溢れる展開、ブラック・ジャックの矜持がこれでもかと詰まっているのだから大したものだと感じ入ってしまう
『報復』
本シリーズは発表順に収録されているわけではないのだから気にするような事ではないのかもしれないけれど、それにしたって第1巻の第1話に収録されている話でブラック・ジャックが手術できないというのはかなり強烈に映る
ブラック・ジャックがそういった状況に追いやられたことにより一人は死に、もう一人も助かる見込みがない。ブラック・ジャックが手術しなければ助かる人間も助からないと暗示しているかのようだ
『ときには真珠のように』
ブラック・ジャックと言ったらこれ、というくらいに印象深いエピソード
ブラック・ジャックの命の恩人であり、尊敬する名医本間丈太郎
けれど彼には生涯悔い続けた医療ミスが存在し、しかもそれがブラック・ジャックに関することだったという衝撃
本間先生のおかげでブラック・ジャックは生き永らえた。同時に本間先生の医療ミスによりいつ死んでも可怪しくない身体になった
そんなブラック・ジャックを本当の意味で助けたのは人体の神秘だったというね……!
それによって本間先生の医療行為やそれに憧れたブラック・ジャックの想いの価値が低くなるわけではない。けれど、ブラック・ジャックが手を尽くしても本間先生を助けられなかったようにどれだけ高い医療技術を持ってしても助けられない人間は居るし、勝手に助かってしまう人間も居る
このエピソードが第1巻に収録されている意味を深くまで感じ取りたくなる話だったよ……
『幸運な男』
これは整形手術した男性の心情変化に寄り添いながら読める形になっているからこそ、ラストに明かされる真相が強烈に響いてくる構成になっているね
金さえ手に入ればと考えていた男が血の繋がらない母親の献身に心ほだされてその姿勢を変える物語。だからこそ、そこで育まれていた親子愛に感動してしまう
この話はあまり言葉を重ねて分析するのではなく、染み入る感情へ静かに身を任せたくなるような話だよ……
『タイムアウト』
この話もブラック・ジャックのスタンスを示すような話になっているね
患者の命を確実に助けるためなら、常識外れな方法も採用する。高い技術を持つ彼はそういった方法で普通なら助からない筈の命も助け出す
その一方で弱い者を助ける事を主眼に置いているわけではないのも特徴的。まず、大金を払われないと手術しないし、患者以外に温情を見せることも少ない
5千万円の代わりは受け取っても、貶められた青年には手を差し伸べない彼のスタンスは冷酷だけれど、はっきりしたものになっているね詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
※2018.8.26購入@kindle版
-
阪大医学部卒の手塚治虫だからこそ書けた医療マンガの金字塔。鏡を見ながら自分の体にメスを入れて手術をするブラックジャック。『人生という名SL』が最終回と捉えられることが多いようだが、生命や医療の意味を考えさせられる。
-
永遠の名作
今読んでもおもしろく惹かれてしまう話ばかり -
テレビで見た時と印象が違った。
-
医学監修が甘い、というところはあるのだろうが、はなからそれは期待していないから良いとして、一体彼は冷酷なのか、温厚なのか。天才なのか、そうではないのか。読み方によって幾通りも読め、(少なくとも1巻においては)それが明らかに示されることはない。
各話時系列順に並んでいるわけではないことに配慮が必要。 -
一家に全巻あった方が素晴らしい日々をおくれるのではないでしょうか?
-
-