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感想・レビュー・書評
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手塚治虫の自伝的漫画です。
手塚先生が他界して約25年も経っていたなんて驚いてしまった。
そんなとうの昔に亡くなられていたのかと。
私は勝手に2000年代の半ばぐらいというか、最近まで生きていたようなイメージがありました。
きっと先生の作品の生命力が強く生き続けているからなのでしょうか。
手塚先生の青春時代は戦中真っ只中。
大好きな漫画を描くのにも苦心されている。
終戦後は制約があり仇討ちの物語は描けなく、SF活劇か探偵もののネタに限られていたのだという。
ある時、久々の娯楽でアメリカ映画『永遠の処女』を観た手塚先生は、戦争中なのにアメリカはいい映画を作っていたのに日本は検閲で禁止されるばかりだと嘆く。
『戦争は終わっても日本中の生き残った人々の生きつづけるための戦争が始まった』とのことばの中に、夢を込めての作品づくりをしていこうとの闘志が感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私漫画の形態
おもしろかった。戦中から戦後までのある期間を、漫画家としてのいきさつとして描いてゐる。宝塚の女の子などロマンスあふれる場面もあり、本当かどうかはわからないが、哀しい話だ。作り話より身の上話のほうがよっぽどいいと感じる。 -
戦争体験というものが、その時代に生きるすべての人間にどれほど決定的な傷跡を残してしまうのか。そしてそこからどうやってしぶとく生き残ってきたのか。作品の背景を知るということ以上に、人間の生きる底力を感じる。