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感想・レビュー・書評
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手塚治虫の自伝的漫画です。
手塚先生が他界して約25年も経っていたなんて驚いてしまった。
そんなとうの昔に亡くなられていたのかと。
私は勝手に2000年代の半ばぐらいというか、最近まで生きていたようなイメージがありました。
きっと先生の作品の生命力が強く生き続けているからなのでしょうか。
手塚先生の青春時代は戦中真っ只中。
大好きな漫画を描くのにも苦心されている。
終戦後は制約があり仇討ちの物語は描けなく、SF活劇か探偵もののネタに限られていたのだという。
ある時、久々の娯楽でアメリカ映画『永遠の処女』を観た手塚先生は、戦争中なのにアメリカはいい映画を作っていたのに日本は検閲で禁止されるばかりだと嘆く。
『戦争は終わっても日本中の生き残った人々の生きつづけるための戦争が始まった』とのことばの中に、夢を込めての作品づくりをしていこうとの闘志が感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『戦争めし』『零戦少年』と戦争モノの優れたコミックを読み、その原型はどこにあるのだろうと考えついたのがこの本。日本のどんなマンガも原点は手塚治虫にあるのか。戦時中、戦後の自伝的なお話。たしかテレビドラマにもなったかと。かなりリアルな部分があったり、未完のものがあったり、評価は分かれるかもしれないが、やはり巧いと思う。原本ならオークションでいくらするか、計り知れないが、キンドルで270円なので、夏の終わりにおススメ。
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私漫画の形態
おもしろかった。戦中から戦後までのある期間を、漫画家としてのいきさつとして描いてゐる。宝塚の女の子などロマンスあふれる場面もあり、本当かどうかはわからないが、哀しい話だ。作り話より身の上話のほうがよっぽどいいと感じる。 -
『がちゃぼい一代記』
戦後、20歳の手塚治虫が出会ったのはマンガの神様。
出版社から出てきた年寄り漫画家をみて「おれだ」と言うシーン、とても良い。人ごとではない、未来の自分に見えた。自分がああなってもおかしくないのだという示唆。
そして本屋のシーン。自分の漫画への評価。
良いという者もいれば合わない者もいる。
それだけでなく、時代のせいなのか漫画だからという理由で批判されてしまうこともある。
時代がかわり、新しい漫画家がでてくる。
売れている手塚治虫が見栄をはって家具を買うと、叱りにくる神様。その頃の自分を自身で叱りつけているのだろうか。
それから夢中で虫プロを創業。
やりきった手塚を素直に褒める神様。
幸せを噛みしめるようなシーン、こちらも嬉しくなる。
くるマンガブーム、手塚治虫が漫画家として生きていくということ。
その半生と志を駆け足で読むことができる漫画型エッセイ。
『紙の砦』
漫画家を志すテツロウ。
大阪中津で出会った麗しい少女、京子。
戦時中の苦しくも理不尽な日々を綴りながらも、マンガを描くラストへと繋がっていく。
う〜む…
これこそ若い頃に読みたかったな。
漫画で読むと、身近に感じられるのだなあ。
『すきっ腹のブルース』
テツロウの戦後のものがたり。
鉄郎の顔がまっぷたつに溶ける表現、良いなあ。
はなちょうちんがハートになって、矢をふっとふきかける。コミカルな描写の中にも、戦後まもない時代の苦しみを描いている。
『トキワ荘物語』
語り手がトキワ荘。
日本中探しても、住まいが語り手の漫画はなかなかないでしょうね。トキワ荘だからできるのかもしれない。
『という手紙がきた』
良い意味で時代を感じる
あほですね
『動物つれづれ草』
ウマ→物悲しくてとても良い。とくに、ただゴロ馬車の思い出だけでなく、滝壺のくだりで物悲しさが増す。
タヌキ→小気味良くてよろしい。設定が日本昔話風のようで、ラストはやはり手塚の物悲しさ。
死を描く。
『どついたれ』
抜粋しか読ませてくれない。
未完成とのこと…。 -
戦争はひもじい。
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セールで購入。
戦争はぜったいにダメなんだよなと改めて思う。作品からその生々しさが伝わってくる。経験したからこそ…なんだろーなぁ。 -
戦争体験というものが、その時代に生きるすべての人間にどれほど決定的な傷跡を残してしまうのか。そしてそこからどうやってしぶとく生き残ってきたのか。作品の背景を知るということ以上に、人間の生きる底力を感じる。